ガンプラに「魂」を吹き込む妄想力

【左】作品名:武者ガンダムマーク2 制作:市川貴秀【右】作品名:スティンガーフォトンボール 制作:ひやむぎ/2014年「GBWC」日本大会3位入賞作品(C)創通・サンライズ
(C)ORICON NewS inc.

 1980年代、ちびっ子から大人まで空前の“ムーブメント”を巻き起こした「ガンプラ」。その後、発売から38年間で累計4億5千万個以上を出荷。HG、MG、RG、PGといったカテゴリー分けで試行を繰り返しながら今なお進化を続けている。そんな「ガンプラ」進化の一翼を担ってきたモデラーの“匠の技術”について、模型雑誌で模型作成やライターとして活躍する“ジオラマの申し子”市川貴秀さん、2014年に開催された『ガンダムビルダーズワールドカップ(GBWC)』日本大会3位の実力派モデラー・ひやむぎさんにインタビューを実施。ガンプラ制作の真髄を聞いた。

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■作例に興味を持ってもらう仕掛け作り「実物を参考にした“汚し”や“塗装”がキモ」(市川貴秀)

 模型誌のライターとしても活動を続けてきた市川さんのガンプラ歴は17年ほど。作品作りにおいては「実物を参考にして工作や塗装をする事が多い」と説明。「実物の塗装表現やウェザリングなどを上手く取り入れる事で、現実には実在しないガンダムをリアルな物として認識して見られるのではないか」と、その匠の技術のバックボーンを語ってくれた。

 今回紹介した「武者ガンダムマーク2」も、ウェザリングや塗装によって実物かのような存在感を感じられる。本作について市川さんは「武者ガンダムのヴィネット(小型のジオラマ)は、自分が頭の中で考えたイメージに一番近い作品に仕上げられました。制作期間は1ヵ月ほどで、ダメージの表現とガンダムが激戦の後にゆらりと歩く姿にこだわりました」と、武者ガンダムへの想いを明かした。

 ジオラマなど情景描写が評価される市川さん。その神髄とは?

「ぱっと見てわかるストーリーにする。それに加え意外性を持たせる事も心がけています。そうする事で親近感が沸き、意外性でさらに近づいて見てもらえる。より長く作品を見てもらえるための“仕掛け作り”を意識しています」

■妄想サイドストーリーを具現化「“丸い棺桶”をどう“最強”に見せるか」(ひやむぎ)

 造形の“緻密さ”と“妄想”の掛け合わせが評価されているひやむぎさん、実は「もともと情景描写(ジオラマ作品)はあまり得意ではないのです」と告白。「塗装の剥がれ表現やグラデーション塗装による退色表現などは得意」だと、自身のストロングポイントを語ってくれた。

 確かに、ひやむぎさんの作例からはモビルスーツの機械の錆や塗装の剥がれ、オイルの匂いのようなものが感じらえる。さらに、最近は様々なパーツを組み合わせ、自分独自のガンプラを完成させる“ミキシング”に力を入れているのだそう。

「14年の『GBWC』日本大会で3位入賞した、『スティンガーフォトンボール(ボール)』はお気に入りです。テーマは“速くて強くてカッコいい”ボール。ガンダムの世界では弱くて有名なボールですが、これをシューティングゲームの戦闘機のようにカッコよくしたら面白いのではないか、と考えたのが始まりです」

 この“最強”ボールの制作期間は約3ヵ月。ガンダムの作中で「丸い棺桶」と呼ばれ、弱い=ボールという意識を持たれている兵器を、「いかに強そうな見た目にするかに腐心しました」と笑顔で語ってくれた。

(提供:オリコン)

更新時間:2018年10月22日 07:00