豪雨災害現場で無双の活躍!水陸両用「レッドサラマンダー」の全貌 地元・岡崎で初出動、6人救助の大活躍

2023年6月8日 16:45
大雨による浸水被害が相次いだ愛知県岡崎市。人命救助で活躍したのは、国内に2台しかない特殊車両でした。

愛知県岡崎市に配備されているレッドサラマンダー

 6月2日、愛知県岡崎市の冠水した道路で軽トラックが立ち往生していました。

 救助のために駆け付けた赤い特殊車両は、水をものともせずあっという間に軽トラックのもとにたどり着きます。

 そして、荷台に避難していた男性を無事に救助しました。

 冠水した道をバックで進み、水が低い安全な場所に戻るまでにかかった時間はわずか1分ほどでした。

 この赤い特殊車両が、国内に2台しかない水陸両用車「レッドサラマンダー」です。
 

災害現場で活躍するレッドサラマンダー(岡崎市消防本部提供)

あらゆる災害現場に急行
 レッドサラマンダーが配備されているのは、岡崎市消防本部の中消防署です。

 2013年に日本で最初に配備され、岡山や広島、大分の豪雨災害にも出勤し救助活動にあたりました。

「レッドサラマンダーは、浸水地域やガレキがある場所など、普通の車では行けないところに行けるということが大きな特徴です。排水ポンプがついているので、多少水が入っても排水していく」(岡崎市中消防署 鈴木健一消防司令)

 レッドサラマンダーは最高時速が50km、水深1.2mまでなら走行可能で、30°近い坂道を登ることができ、最大60cmの段差も乗り越えられます。

 その性能から、土砂崩れで寸断された道や浸水地域など、あらゆる災害現場に急行することができます。
 

浸水被害での活用を想定した装備が積まれている

浸水地域を想定した装備
 前のユニットがけん引する後部ユニットの中には――

「基本的には、人員を中に入れて現場に連れていくという形。もしくは救出した人を中に入れて安全な場所に連れていく。PFDという、救命胴衣よりも浮力が強い、沈まないように救助者に着せるものを装備している」(岡崎市中消防署 鈴木健一消防司令)

 そのほか、フロート付きの担架や浮き輪など、浸水地域での救助活動を想定した装備が積まれていました。
 

立ち往生した軽トラックの男性を救出するレッドサラマンダー

「レッドサラマンダーの良いところが出た」
 レッドサラマンダーは総務省消防庁の車両で、岡崎市と大阪市の消防本部に配備されています。

 岡崎市は日本のほぼ中心に位置するため、東西どちらにもすぐ出勤できるよう、レッドサラマンダーが最初に配備されました。

 今回は初めて、地元の岡崎市での出動となりましたが、市内で水に漬かった車や浸水した住宅から男女計6人を救助しました。

「災害がないことが一番ですが、レッドサラマンダーがあったことで助かった人がいるという実績は大きい。より安全に助けることができる。水難で水の流れがあるところではボートなどを使って救出もするが、どこに流れていくかわからない中でその場に滞在して救出できるという、このレッドサラマンダーの良いところが特に出ていたのではないかと思います」(岡崎市中消防署 鈴木健一消防司令)

(6月8日15:40~放送 メ~テレ『アップ!』より)
 

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