記録的な大雨で大破…中断していた「渡し船」が復活 愛知県豊橋市

2024年3月8日 18:29
2023年6月、愛知県内を襲った記録的な大雨で船が流され、運航を休止していた豊橋市の渡し船の「牛川(うしかわ)の渡し」が再開されました。 9カ月ぶりの再開となった3月3日には、かつての利用客も訪れ思い出話に花を咲かせました。

乗客と交流をする荒津さん

 静かな川に、“手こぎの音”が戻ってきました。まるで祝福するかのように、晴れ渡った空。

 豊橋市で平安時代から続くとされる、「牛川の渡し」。豊川の両岸を行き来する、市営の渡し船で通勤や通学などに利用されてきました。

船頭・荒津圭伺さん:
「一番いいところは人の愛に触れられる。ここが好きな人が来てくれるので愛を感じるんですね」(去年5月)
 
 近年は利用客が減少傾向でしたが、コロナ下で「屋外の乗り物」として観光客の注目も集めおととし、11年ぶりに利用者が1万人を超えました。

 

大雨で流出し被害を受けた渡し船

 しかし去年6月、愛知県の東三河などを襲った記録的な大雨で渡し船も大きな被害を受けました。

 豊川の増水により、係留していた船は流されて、大破。約25キロ離れた海岸で発見されました。運航休止を余儀なくされた渡し船に、地元からは再開を望む声が寄せられました。

船頭荒津さん:
「船が無くなって草だらけだと渡船場が終わっちゃったと思われるので、草刈りを一生懸命がんばった」
 
 年末になって新たな船の製造がスタート。できあがった船には、柵を設置するなど安全対策が施されました。

 

荒津さん

 迎えた、3月3日。就航式には、多くの地元の人たちが駆けつけ9カ月ぶりの再開を喜びました。

 再び戻ってきた、日常の風景。

荒津さん:
「やっぱり楽しいですね、人の笑顔を見るというのは。みんなにありがとうって言われると気持ちいいです」
 
 8年前から船頭を務めている、荒津さん。「再開の日」には懐かしの人との「再会」もありました。

澄出真奈美さん:
「あらっちゃん(荒津さん)に会いに来ました。自転車を乗せて通っていました、高校時代に」
 
 出産を経て3年ぶりに船に乗るのは、高校時代、通学で利用していた澄出さん。
 
 冬の寒い日には、温まったカイロを渡すなど、荒津さんと心を通わせてきました。

 渡し船は、人を運び、心を繋ぐ。

 そんな思いを込め、きょうも竹竿を握ります。

荒津さん:
「今は橋ができてしまって、渡し船の役目は終わったんですけど、『牛川の渡し』は橋と橋の間がすごく距離があるもんですからまだ必要な方がいて。船頭まだ余力ありますので年間1万人と言わず、2万~3万人の方に、また近くの方には毎日のように来ていただけるような渡し船になるといいかなと思っています」

(3月8日15:40~放送メ~テレ『ドデスカ!+』より)
 

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