育休中でも利用できる保育 “こども誰でも通園制度”  モデル事業を利用する母親「孤独感が軽減された」

2024年1月24日 14:12
親が働いていなくても子どもを保育所などに預けられる「こども誰でも通園制度」。本格的な実施を前に愛知県でも、このモデル事業に取り組んでいる保育園があります。
 18日、加藤こども政策担当大臣が訪れたのは、政府が掲げる“異次元の少子化対策”の目玉施策のひとつ「こども誰でも通園制度」のモデル事業を行う保育所です。

 「全く子どもを預けられなかったお母さんたちが、預けられたことへの大きな一歩は、こんなにも大きいのだなと感じた」(こども政策担当 加藤鮎子大臣)

 「こども誰でも通園制度」とは、親が働いているかどうかにかかわらず一定の利用時間内であれば保育所などを利用できる制度で、生後6カ月から3歳未満の未就園児が対象です。

 今は保育所を利用することができない、専業主婦(夫)や育休中の子育て家庭の負担を軽減することが期待されています。

 現在、全国31の自治体でモデル事業を実施していて、政府は2026年度の本格的な実施を目指しています。
 

伴野さんは週2日、長男の立季くん(2歳)をモデル事業で預ける

「事業を知り藁にもすがる思いで…」
 愛知県大府市の「ビオーズよこね保育園」では、去年7月からモデル事業に取り組んでいて、現在7人が利用しています。

 大府市に住む伴野咲紀さんは、週に2日、午前9時から午後4時まで、長男の立季くん2歳を預けています。

 2人目が産まれたことをきっかけに預かってもらえる場所を探していましたが、育休中のため、保育園に入れることはできませんでした。

 「2人目が生まれて想像以上に大変なのがあとから分かったので、今回、市のホームページでこの事業のことを知って、本当にもう藁にもすがる思いというか、ありがたいと思って応募しました」(伴野咲紀さん)

 この日は、立季くんを預けている間に、下の子を病院に連れていくことができたといいます。

 「予防接種とか生まれたばかりなので多いので、そういうときにこの子が保育園に行ってくれるときに、病院に行けるので助かっています」(伴野咲紀さん)
 

立季くんにとってもいい影響があった

「味方ができたという、心の面ですごくありがたい」
 立季くんにとってもいい影響が。

 以前、咲紀さんは、立季くんの言葉が遅いことや、偏食ぎみなことを心配していたそうですが――

 「言葉の面もそうなんですけど、色んな人と関わって生活するので、性格もすごく積極的になったと感じますし、食事の面でも家だと決まったものしかあまり食べないけど、保育園だと色んなメニューが出てくるので、友達が食べているから食べてみようかなという感じで。自分が本当にそれで悩んでいたので、先生方もすごく相談に乗ってくれますし、味方ができたという、心の面ですごくありがたいなと思っています」(伴野咲紀さん)

 これまで自宅で1対1でしてきた子育て。

 この事業を利用するようになってから、「孤独感が軽減された」と話してくれました。
 

ビオーズよこね保育園 野澤幸代園長

今後に向けての課題が保育現場の“人手不足”
 「今、核家族がほとんどで、なかなか周りに頼る人がいないという環境の中で子育てをしている。苦しくなるとせっかくの子育てがもったいないと思うんです」(ビオーズよこね保育園 野澤幸代園長)

 一方で、今後に向けての課題が、保育現場の“人手不足”です。

 この保育園では、モデル事業を始めるにあたり、もともといた保育士では足りず、新たに1人採用しました。

 「モデル事業から本格的に『誰でも通園制度』に大きく広がっていくと、そこでの人材の確保とかフォロー体制も必要かなというのは感じています」(野澤幸代園長)

 (1月23日 15:40~放送 メ~テレ『ドデスカ!+』より)
 

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