高速隊に密着!速度超過のうえ35キロにわたりパトカーの制止を”無視”…悪質ドライバーの言い訳

2023年12月16日 13:37
高速道路の安全を守ろうと奮闘する愛知県警高速隊に密着。取材中、料金所内で激しく横転する車や制止を振り切り逃走する車など、いくつもの事案が飛び込んできました。

パトカーの追跡を振り切る車

 愛知県警の「高速道路交通警察隊」、通称「高速隊」。

 高速隊は約130人が所属し、愛知県内全域に張り巡らされた高速道路などを24時間体制で取り締まっています。

 高速道路での危険な運転に目を光らせるのは坂倉誠巡査部長(42)と小原祐樹巡査部長(35)。

「やっぱり交通事故がないということがまず大事。死亡事故が起きてますんで。あとはやはりあおり運転は非常に最近多く発生してますので、それがないように僕らは取り締まり活動を続けていきます」(愛知県警高速隊 坂倉誠巡査部長)
「利用者の方々があおり・妨害運転の車などに恐怖を感じることがないような道路にしたいです」(愛知県警高速隊 小原祐樹巡査部長)
 

合流車線から追い越し車線まで一気に横断し加速する車

反則金「ちょっとまけて」
 覆面パトカーで名古屋第二環状自動車道の取り締まりへ。

 前を走る1台の高級車が合流車線からそのまま追い越し車線まで一気に横断し加速していきます。

「あいつが速いなあ」(坂倉巡査部長)
「97、97、96、96、97、97・・・よし」(小原巡査部長)
「サイレンだします」(坂倉巡査部長)
「ちょっとスピード速いです。運転手さん。減速してください。パトカーについてきてください」(小原巡査部長)

 坂倉巡査部長と小原巡査部長は車を路肩に止めさせて、運転していた男性から聴取するため、パトカーに移動します。
 

反則金を値切る男性(左)

 隊員がスピード違反の事実を突きつけるも疑う高齢の男性。

 男性は制限速度60キロの名二環を時速98キロで走行していました。

 スピード違反の危険性を認識していないのでしょうか、男性はあくびをします。

 さらに「点数が3点、反則金が3万5000円の違反」と男性に告げると――

「ちーっとまけてって言ったらまけてくれたの?」(男性)

 反則金を値切る男性、許されるはずもありません。
 

料金所で横転したSUV

料金所にぶつかり車が横転 
 この日届いた1本の無線。

「車外に出られない旨申し上げているとのこと」(無線)

 事故をして車から出られないという通報があり緊張が走ります。

 駆けつけると横転する大きなSUVが。乗っていた人たちは大丈夫なのでしょうか?

 フロント、リアともに粉々になった窓ガラス。

 経緯を調べると、車は料金所に入る直前で左のレーンに車線変更し料金所の壁にぶつかり横転したことが分かりました。

 運転していたのは幼い子供がいる家族連れの30代の男性でした。

 家族でブドウ狩りに出かけた後、眠気を催し一瞬ハンドル操作をあやまったといいます。

 幸い、男性と同乗する家族にけがはありませんでした。
 

何度も停止を求めるも無視し続ける車

制止を無視する車、35キロの追跡劇
 日が暮れても行われる取り締まり活動。

 どんどん速度をあげる車を発見し、すかさず追いかけ速度測定を開始します。

 大幅な速度超過を確認しサイレンを鳴らします。

 坂倉巡査部長が非常駐車帯に車を止めるよう求めますが、一向に止まろうとしません。

 隊員も毅然とした態度で立ち向かいます。

 横を走るパトカーを見るような素振りをしたものの、一切スピードを落そうとはしません。

 何度も車を止めるよう求めるも無視し続ける車。

 名古屋市の植田インター付近からみえ川越インターで降りるまでの約35キロの距離を追跡しましたが、車は制止を振り切り進んでいってしまいました。

 車の写真を撮影した上で安全を考慮し、一般道に降りた後の追跡は見送りました。
 

約1時間後に姿を現した男性

制止を振り切った車を特定、捜査員が向かう
  追跡の数時間後、車のナンバーなどから運転していたのは、名古屋市内に住む50代の男性会社員と判明。

 自宅に向かうも車がなく人影もありません。

 どこへ行ってしまったのか。

 捜査を続けること数日、再び隊員たちが自宅を訪れると制止を振り切り逃走した車がありました。

 隊員が自宅のインターホンを鳴らすと、室内に人がいる気配はあるものの反応がありません。

 何度もインターホンを鳴らし待つこと約1時間、ついに男性が姿を現しました。

 

高速隊の任意聴取

「パトカーとは気づかなかった」
 「名二環を走っていてパトカーについてきてって言ったけど、そのまま気づかずに行ったかわからないんだけど、それ覚えとるでしょう?」(成田小隊長)
「まあうん、わかんない」(男性)

 しらを切り続ける男性でしたが――

「警察官がパトカー乗っていて、要はスピード違反なんだけど」(成田小隊長)
「あ、スピード違反?急いでいたので、急いでいたし」(男性)
「なんで?釣り?」(成田小隊長)
「いや、仕事で。時間に間に合わん。遅刻しそうだったんで」(男性)

 高速隊は任意での事情聴取を求めました。

「1回だけこっちの車に気づいたなと思ったけど」(坂倉巡査部長)
「なんか変な車があるな。NEXCOの車がよく通るからそれかなと思って」(男性)

 さらに言い訳を並べる男性。

「邪魔な車がおるなみたいな。パトカーっていうのはあんまり気づかんかったなあ」(男性)

 高速隊は男性に今後は制止に必ず従うよう求めた上で、制限速度を39キロ超過したとしてスピード違反の切符を切りました。

 スピード違反に加え、制止を振り切る悪質な行為。

 警察は“逃げ得”を許すはずもありません。
 

坂倉巡査部長(左)と小原巡査部長

 全員が交通ルールを守るからこそ安心安全に利用できる高速道路。

 高速隊の隊長は――

「一般の方々が忘れてしまったような交通ルールもしっかりと教示をしながら、悪質な違反者に対しては強い姿勢で立ち向かう隊員に育ってもらいたい」(愛知県警高速隊 渡邊教義隊長)

 事故を1つでもなくそうと、高速隊はきょうも悪質な違反行為を取り締まります。

(2023年12月15日放送 メ~テレ「ドデスカ!+」特集より)
 

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