クマ出没件数が去年の2倍 紅葉シーズンもフン発見でライトアップ中止 被害相次ぐ岐阜県

2023年10月30日 19:32
クマによる被害が出ている岐阜県。紅葉狩りのシーズンを迎える観光地は警戒を強めています。

捕獲されたクマ(27日・提供:合掌造り民家園)

 27日、岐阜県白川村の観光施設に近い森の中でクマが捕獲されました。

 白川郷の合掌集落のすぐ近くにある観光施設、「合掌造り民家園」。紅葉も見ごろを迎え、園内では、28日、29日それに11月3日からの3連休にライトアップを行う予定でした。ところが…

 26日、園内の4か所でクマのフンが発見されたのです。

「ライトアップがまさに、クマが活動を始める時間帯になるので、さすがにリスクが高いので、中止に」(合掌造り民家園 加藤春喜園長)
 

ライトアップは中止に

 そして…

「金曜日の朝、この場所に設置してあった罠におとなのクマ1頭がかかっているのが見つかりました」(記者)

 しかし、他にもクマがいる恐れもあり、ライトアップ中止はそのままとしました。

「遭遇したら怖い。」「山道をきたので、出たらどうしようと」(観光客)

 今後、新たなクマの痕跡が見つからなければ、来週はライトアップを行う予定だということです。

「必ず開園前は全部巡回をして建物を開けながらごみ拾いを兼ねて異常がないかを確認しているので、ここが山里である以上、白川には昔から人もクマも住んでいたので、お互いにうまく共存したい」(加藤春喜園長)
 

クマよけの効果を狙った鐘

 高山市の城山公園。

 夏にクマが目撃されていることからこの時期利用者に注意が呼びかけられています。

 園内には以前から、クマよけの効果を狙った鐘などが設置されています。

 市民もクマ鈴を持参して、散歩をしています。
 

岐阜県は「ツキノワグマ出没警戒情報」を出す

 クマによる人への被害が5件となり、岐阜県は「ツキノワグマ出没警戒情報」を出しました。

 10月に入り、22日に飛騨市で80代の男性がクマに襲われ、頭や太ももにけがをしました。

 25日にも高山市の焼岳で登山中の男性が襲われています。

 県によりますと、今年は、ブナやミズナラのドングリが「凶作」と予測されていて、クマがエサを求めて人里周辺に出没するということです。
 

設置されたワナ

 県は先週、会議を開き、対策の強化を確認しました。

「現時点で出没件数は500件を超え、昨年度の250件から倍増している」(岐阜県 環境生活部)

 県は、出没情報があった周辺の地域で、ワナの設置状況の点検やクマのエサになりそうな生ゴミの撤去などを市町村や猟友会などと協力して行います。

 出席した専門家は…。

「これから冬眠前まで目撃や人身被害のリスクがあるので2カ月ぐらいは注意が必要かと思う」「地元の方も普段出てこないような所に今年は出てこないような所に今年は出てくると、一層注意いただいて、できるだけ遭遇のリスクを下げていただきたい」(岐阜大学 浅野玄准教授)

(10月30日 15:40~放送 メ~テレ『ドデスカ!+』より)


 

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