「図書館に泊まろう!」 本好きにはたまらない、館内ツアーは普段踏み入れないエリアへ

2023年10月26日 07:41
本好きの方にはたまらない宿泊先かもしれません。鶴舞中央図書館で10月に初めて「宿泊体験」のイベントが行われ、普段利用者が踏み入れることができない場所も特別に案内されました。
 午後8時の鶴舞中央図書館。

 いつもなら閉館している時間ですが人の姿がありました。

 この日行われたのは、名古屋市の図書館100周年を記念して行われたイベント「図書館に泊まろう!」です。

 夜通し本に触れることができるイベントで、市の図書館が宿泊体験を行うのは今回が初めてです。

 利用者の要望を受けて行われましたが、参加可能な人数10人に対し470人以上から応募がありました。

参加者:
「時間が足りなくなっちゃうくらい、いろんな本を探すことが好き。いい機会だと思って。(一晩中)読みたいですね」
「図書館で暮らしてみたいって小学校の時に思っていたので、(本を)読むことはいつでもできるから空間にいることを味わいたい」
 

段ボールベッドを組み立てる参加者

 午後8時半になると、ベッドづくりが始まります。

 今年は関東大震災から100年でもあることから、防災についても学んでもらおうと「段ボールベッド」が使われました。
 

書庫には職員も出したことがない本も

普段は入れない書庫にも
 そしてお待ちかねの館内ツアーです。

「ここは書庫になっていますが、普段は入れないところになります」(職員)

 書庫には利用が少なくなった古い本や貴重な本などが並んでいます。

「私も出したことはない、あることは知っていたが」(職員)
「破いてしまいそうでこわい…」(参加者)
 

児童書が並ぶ書庫では子どものころの思い出話で盛り上がる

参加者は児童書が並ぶ
 午後11時からは自由時間。それぞれ好きな場所にベッドを置いて夜に備えます。

 数人の参加者が集まって何やら地下に向かうようです。

 着いていくと、ツアーでは回らなかった児童書が並ぶ書庫に。

「小学生の時に読んでいた本のほうが『はー!』って気持ちになった。本を好きになったきっかけを思い出す」(参加者)

 子どものころの思い出で大盛り上がりです。
 

書庫にある本を見て楽しむ参加者

午前2時の書庫で…
 こちらの男性、ブックトラックにたくさんの本を並べています。

「すごいたくさん借りてきましたね」(記者)
「ほとんど知らない本ばかりです。こんな本あったのって。これも児童書なんですよね、(普段)児童書コーナーは行かないので」(参加者)

 いつもと違う”本との出会い”を堪能していました。

 午前2時、職員とともに普段立ち入ることができない書庫に向かう女性の姿が――

「なかなか書庫に入る機会がないので、何かを探すというよりは実際にどんな本があるのか全体的に見て、普段だとネットなどでピンポイントで検索をかけてしまうのですが、書庫をゼロの欄からずっと見ているんです」(参加者)

 読む本を探すのではなく、図書館にどんな本があるのかを見て楽しむ。

 そんな楽しみ方もあります。

 午前4時、ほとんどの人が眠りについたようです。

 思い思いの夜は、更けていきました。
 

図書館体操を行う参加者

起床後は”図書館体操”
 午前6時45分、起床の時間がやってきました。

 起きてまず全員で行ったのは「ラジオ体操」ならぬ「図書館体操」。

「図書館体操」は東日本大震災で大きな被害を受けた東北の図書館員が考案したもので、防災意識を忘れないようにとの思いが込められています。

 ベッドを片付けると、宿泊体験も終わりです。

参加者:
「普段見られないところも見られますし徹夜で読むというのもすごい企画だと思う」
「こんな本まで市の図書館が集めるんだなと。幅広く読めたので面白かったです」
 
 職員は今回の企画を通し、図書館のあり方を考えていけたらと話します。

「どんな図書館になってもらいたいかというのを考える一端になったらと思う。これから先の100年を皆さんがどういう図書館を望まれるのかを一緒に考えていけたらなと思う」(鶴舞中央図書館 整理課 坪内優子さん)

(10月25日15:40~放送メ~テレ『ドデスカ!+』より)
 

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