見知らぬ国際電話着信、折り返し電話してみると…巧妙化する特殊詐欺、「話さない」ことが大事

2023年10月17日 18:20
“海外”からの電話に注意が必要です。国際電話の番号を使った特殊詐欺が去年に比べ、30倍以上に増えています。

国際電話に折り返し電話する記者

国際電話の番号に折り返すと…
メ~テレの番組スタッフのスマホにも15日、国際電話とみられる番号からの着信がありました。調べてみると、発信元はカナダ。折り返してみると――

「今からかけてみます」(倉橋友和記者)
「英語の案内(この番号は現在使われていません)」

 2日前にかかってきたばかりの電話が、既に使われていない番号に。どういうことなのでしょうか?

「国際電話の番号については、インターネット上や海外のアプリを使って番号を取得することができたり、かかってきた電話番号を偽装することができる。日本の取得した番号を利用していても表面上だけ海外の番号にすることもできる」(愛知県警生活安全総務部 井上淳警部)
 

すでに使われていない電話番号

国際電話を装ってかけてくる可能性も
 国内からの電話を国際電話に装ってかけている可能性もあるそうです。

 最近、目だって詐欺に使われるようになったのが+1や+44など「+」から始まる「国際電話番号」です。

 警察庁によりますと、特殊詐欺で「+」が頭に付いた発信は、今年に入り、9月までに4775件と、去年1年間の150件から30倍以上に増えています。
 なぜ増えているのでしょうか?

「これまでは、050などのip電話を利用したものが多かったが、電話番号については詐欺の犯行に使われたということがわかると、番号の利用停止を警察から要請をしている。そのため、利用停止をできない国際番号が利用が増えてきていると考えている」(井上警部)
 

国際電話拒否には国際電話不取扱受付センター

国際電話不取扱受付センターの利用を
 詐欺電話の番号の利用停止を避けるために、国際電話の番号を使っている可能性があるそうです。

 警察は、国際電話からの着信を無料で拒否することできる「国際電話不取扱(ふとりあつかい)受付センター」0120-210-364を利用するよう、呼び掛けています。


 

9月末時点の特殊詐欺被害

特殊詐欺の前兆に注意
【詐欺グループとの通話記録音声※8月25日】
「もしもしお世話になっております。私、市役所保険年金課の谷口と申します。年金料の差額がございましたので、ご指定していただいた口座の方にお戻しします」

 これは詐欺グループからかかってきた電話の音声です。
 特殊詐欺の前兆電話。決して他人事ではありません。

「『愛知県警だっ』って言われて、どぎまぎした」(80代女性)

「私は、『子どもが株を買った』ってかかってきたよ。『先輩と3人で株を買ったから、何とか3時までにお金を返せば会社にばれないから何とかしてほしい』ってかかってきた。」(70代女性)

 愛知県警によりますと、県内の特殊詐欺被害は、今年9月末時点で1047件、被害総額は約1億1643万円と、去年同時期に比べ、約7億7000万円増えています。
 

特殊詐欺の可能性をAI解析して家族へ通知

電話に出ないことが大事
 そして、詐欺被害の8割が、固定電話への着信から始まるといいます。被害にあわないためには、「犯人と話さない」ことが重要です。

 16日、名古屋市で、NTT西日本の担当者が特殊詐欺被害を防ぐための講演をしました。

 NTT西日本では、70歳以上の契約者を対象に、固定電話に相手の電話番号を表示する「ナンバー・ディスプレイ」や非通知でかけてきた相手に番号を通知してかけなおすよう音声で伝える「ナンバー・リクエスト」といった機能を無償で提供しています。

「相手の電話が分かれば、電話に出ていいのかどうかがわかると思うので、そこでまず防止につながると思う。」(NTT西日本総務部担当課長 中村修さん)

 さらに、通話の音声をAIが解析し、特殊詐欺の可能性がある場合、家族などの事前に登録した連絡先に自動で通知が届くサービスも提供しています。
 

顔なじみの顧客に特殊詐欺被害防止を呼びかけ

生保も被害防止呼びかけ
 生命保険会社も被害防止を呼びかけています。営業職員が訪れたのは顧客の自宅でした。

「オレオレ詐欺とか還付金詐欺とか聞いたことありますか?詐欺が多発しておりまして」(明治安田生命名古屋東支社 玉腰明子さん)

 顔なじみの顧客の家を、訪問する機会を活かし、注意を呼びかけました。

「やっぱり気を付けようと思いますね。私はやっぱり電話には出てしまうからね。今の話だと、電話に出ないで、留守電にして後で聞いたほうがいいといわれたから」(80代)

(10月17日15:40~放送 メ~テレ『ドデスカ!+』より)

 

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