本格ウクライナ料理が味わえる自販機が岐阜・柳ヶ瀬商店街に登場 避難女性も協力

2023年9月14日 18:59
ウクライナ料理が食べられる自販機が9月に商店街に設置されました。ウクライナから避難してきた人たちへの身近な支援を取材しました。

柳ケ瀬商店街に設置された自動販売機

「日本語教室の会場です。中に入ってみると、皆さん会話を和やかな雰囲気で会話を楽しんでいます」(島貫凌アナウンサー)

 14日から始まった、愛知県に住むウクライナから避難してきた人を対象にした日本語教室。

 県主催で、参加費は無料。

 日本語がほとんど話せない人から、少し話せる人まで、この日は14人が参加しました。
 

愛知県に住むウクライナから避難してきた人を対象にした日本語教室

「皆さん講師の日本語を参考に、住んでいるところや好きなことについて話しています」(島貫アナウンサー)

 5月に来日した女性は日本語を覚えて、手づくりの人形をバザーなどで販売してみたいそうです。

「日本に住む人と話しをして、普通に生活できるようになりたいわ」(教室に参加した女性)

 日本語教室は11月までで、次回からはオンラインで行われます。

「日本語はもちろんだが、皆さん仲良くなってねという話もあったと感じた」(島貫アナウンサー)
「ウクライナから避難してきた人同士が、知り合いになっていただくのはメンタルの面でも非常に支えになるのではと思っている」(愛知県多文化共生推進室 中村克成さん)

 愛知県内では現在、115人のウクライナ避難民が生活をしているということです。
 

自動販売機ではウクライナ料理のボルシチを買うことができる

8種類の商品にはウクライナ料理も含まれる
 岐阜市の柳ケ瀬商店街では、自動販売機を使ったウクライナへの支援が9月から始まりました。

 販売されているのは、冷蔵のお総菜8種類。けいちゃん味のチキンやどて煮、豆腐ハンバーグ。

 さらに、ウクライナ料理のボルシチや、ウクライナで良く食べられる、赤かぶに似た野菜「ビーツ」を使った冷製のポタージュスープも買うことができます。
 

自動販売機を設置したニシキフード(岐阜市)

 設置したのは、岐阜市で企業向けの弁当を販売している「ニシキフード」です。

「インターネットやテレビでの情報しかないが、ウクライナが壊れていく姿を見ていたので、もちろん、いろいろな活動の仕方があると思うが、食品というものでウクライナの日常、もともと持っていたものを知ってもらい、そちらに興味をもってもらえたら」(ニシキフード 岩田国大社長)
 

ウクライナから避難しているコロトコヴァ・エリザベータさん

家族と離れ愛知で生活
 8月18日、岩田社長と会っていたのは、ウクライナから避難しているコロトコヴァ・エリザベータさん(24)です。

 家族とともにキーウ近郊のイルピンで生活していましたが、侵攻により家族とも離れ、知人を頼って2022年3月から愛知で生活しています。

「(岩田さんとの)初めは去年の9月からたくさんデザインのオーダーをしてくれて、1年くらい一緒にデザインやイラストの仕事をしてきた。(依頼は)すごく感謝の気持ちでした。私は日本語で話せなかったし、岩田さんは英語で話せなかったので、それでどうやって仕事をするかという問題があったが、翻訳機のおかげでよく分かるようになった」(ウクライナから避難 コロトコヴァ・エリザベータさん)
 

試食するエリザベータさん

「より本場の味に近づけたい」
 ウクライナでデザインの仕事をしていたエリザベータさん。報道でエリザベータさんのことを知った岩田社長が連絡したことから、交流が始まりました。

 この日は「より本場の味に近づけたい」と岩田社長からの依頼で、料理の試食会が行われました。

 ジャガイモやニンジンなどを使ったボルシチ。エリザベータさんの反応は――

「おいしいけどちょっと甘い。ウクライナのボルシチは塩をちゃんと入れる」(エリザベータさん)

 ビーツと牛乳、ヨーグルトなどを混ぜた冷製のポタージュスープは――

「ウクライナの冷たいボルシチにちょっと似ているけど、これは日本の料理だと思う。日本の味」(エリザベータさん)
「でも口に合わなかったのではなくてよかった」(岩田社長)
「おいしい、おいしい」(エリザベータさん)
 

自販機のデザイン

自販機のデザインはエリザベータさんが担当
 エリザベータさんは今回、自販機のデザインも担当しました。

「自動販売機は『ウクライナに平和を』というテーマになった。白いハトは平和のイメージがあり、ヒマワリはウクライナのイメージなので、一緒に組み合わせてアイデアを出した」(エリザベータさん)

 平和の象徴とされる白いハトに、ウクライナの国花であるヒマワリが空に向かって咲き誇るデザイン。平和への想いが込められています。

「戦争が始まってからずっと同じ気持ちを持っている。毎日朝になったら起きてまずニュースを確認して、その後は両親にメッセージを送る。それで返事が来ないとすごく心配で 他の活動ができなくなる。平和についての気持ち、みんながウクライナのことを忘れないように早く平和に過ごすため、そういう気持ちで作った」(エリザベータさん)
 

売り上げの一部はウクライナの支援団体に寄付

売れ残った総菜は企業向けの弁当のおかずに
 売れ残ったお惣菜は、ニシキフードの企業向け弁当のおかずにすることで、フードロス削減にもつながっています。

 自販機は、岐阜市の柳ケ瀬商店街や笠松駅など5カ所に設置されていて、1つ500円で購入できます。

「冷製ビーツ(を購入した)。ウクライナ料理ってどんなものか試してみたくて。遠い国だし、かかわることがないので、ちょっとでも手軽なところで支援につながるのは良いことだと思う」(購入した人)

 売り上げの一部はウクライナの支援団体に寄付されます。

(9月14日15:40~放送メ~テレ『アップ!』より)
 

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