急増する子どもの発熱患者 夏風邪の一種“ヘルパンギーナ”  ワクチン無し、主な感染経路は飛沫・接触

2023年6月29日 19:12
夏風邪にかかる子どもが増えています。中でも、ヘルパンギーナは東海3県ともに流行していて、愛知県では過去最多に迫るペースで患者が増え、三重県では7年ぶりに流行警報も出されました。 

ヘルパンギーナが流行中

 名古屋市緑区の小児科「もろの木こどもクリニック」。診察待ちの人数は52人。ほとんどの子どもが、発熱の症状を訴えています。

 急増する、子どもの発熱患者。

「夏風邪のヘルパンギーナというのが1番多いですね」(もろの木こどもクリニック諸岡正史院長)

 ヘルパンギーナは、夏風邪の一種で幼い子どもがかかりやすい、ウイルス性の感染症です。

Q.ヘルパンギーナどんな症状が
「2~3日の潜伏期間をおいて、喉に強い炎症を起こし、喉に水疱や赤い斑点が見られる病気」(諸岡正史 院長)

 ヘルパンギーナの特徴は、38℃以上の高熱と、口の中にできる水ぶくれです。諸岡院長によると、熱は2~3日で下がるといいます。

「最近は多い日だと20人ぐらい、少なくても10人ぐらいはヘルパンギーナと診断している。30年医者をやっているが、この多さは初めて」(諸岡正史 院長)
 

東海3県のヘルパンギーナの感染者数(国立感染症研究所のIDWR速報データを基にメ~テレが作成)

.夏風邪に対する免疫を持っていない子どもたちが増加
 国立感染症研究所が発表した6月12日から18日の患者報告によると、定点医療機関で確認された1医療機関あたりの感染者数は愛知県が4.51人、岐阜県が2.17人、三重県は7.38人と、いずれも前の週より増えていて三重県では、7年ぶりに警報基準値を上回りました。

 こうした状況を受け、愛知県豊田市などでは自治体のホームページで、注意を呼び掛けています。

Q.ヘルパンギーナが増えている背景には何が
「この3年間は皆が徹底的に手洗いやマスクなどの感染対策をしてきて、その間は、夏風邪の流行が見られなかった。ということは、夏風邪に対する免疫を持っていない、子どもたちが増えて、ヘルパンギーナ流行につながったと予測する」(諸岡正史 院長)

 ヘルパンギーナにワクチンはなく、主な感染経路は、飛沫や接触です。

「逆にいうと、マスクや手洗い、アルコール消毒で3年間は流行が抑えられていたというのを考えると、ヘルパンギーナにとっても有効だと考えられので、対策を徹底するのが唯一の予防の方法だと思います」(諸岡正史 院長)
 

中村保育園では欠席者が急増

保育園でも“夏風邪”が流行
 名古屋市内にある「中村保育園」。0歳から6歳の園児、281人が通っています。

 この保育園でも、ヘルパンギーナなどの“夏風邪”が流行っているといいます。

「ヘルパンギーナとかインフルとかいろんなのが、ほんとにこれがすごく流行っているとかではなく全部が流行っています。コロナの時はすごかったが、安心したらこんな感じになって、ちょっと私たちもびっくりしている」(中村保育園 宇都宮美智子 園長)

 中村保育園での欠席者は、普段は10人以下のところ、6月に入ってから、多い日では63人もの欠席者が出ました。

 中には、5つの感染症にかかり入院した子もいたそうです。園では換気や手洗いなど、できる限りの対策は行っています。

「空いている時間には小まめに先生が、消毒してくれています。集団生活の中で気を付けていても、安全対策をしていても、どんどん子どもたちにうつっちゃうというのは、ほんとにどうしたらいいのかなと思っています」(宇都宮美智子 園長)

(6月29日15:40~放送メ~テレ『アップ!』より)
 

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