「10割負担」も…マイナ保険証をめぐるトラブル相次ぐ 愛知県保健医協会がアンケート

2023年6月22日 20:04
マイナンバーカードをめぐるトラブルが相次ぐなか、愛知県内の病院でも患者のマイナ保険証の確認ができず、いったん「10割負担」になるなどのトラブルが発生しています。

東海3県では医療機関の約7割がトラブルを経験

 22日午後、愛知県保健医協会がマイナ保険証トラブルについてのアンケート結果を報告しました。

 マイナ保険証で「他人の情報がひもづけられていた」と回答した医療機関は愛知県が16件で全国最多。

 また、保険資格の確認ができず「いったん10割負担を患者に請求した」経験のある医療機関の数も愛知県が最多の65だったということです。

「オンライン資格確認でのトラブルを経験した医療機関が約7割。(義務化後)わずか2カ月でこれだけなので、今後トラブルは多発するだろう」(愛知県保険医協会 荻野高敏理事長)

 また東海3県の保険医協会のまとめによりますと、専用のカードリーダーを設置している医療機関のうちマイナ保険証の確認でトラブルを経験したのは、愛知県で約70%、岐阜県で約66%、三重県では約68%に上っています。

 最も多かったトラブルは「マイナ保険証が無効・該当資格なしと表示される」など、保険情報が正しく反映されていなかったとの回答です。
 

マイナンバーの活用に不安を感じる人の声が80%を超える

感染の機会が増える心配も
 他にも、様々な困惑の声が…

「(アンケートでは)高齢者がカードリーダーの取り扱いができないので、事務が手伝わなければいけないから窓口が混雑する。発熱の患者にその都度、カードリーダーをやってもらったらそれこそ感染の機会が増えるだろうと心配」(愛知県保険医協会 荻野高敏理事長)

 メ~テレが行ったアンケートでは、マイナ保険証などマイナンバーの活用についてどう感じるか聞いたところ、「大いに不安を感じる」人と「ある程度不安を感じている」人があわせて80%を超える結果となりました。
 

藤田医科大学病院(愛知・豊明市)

藤田医科大学病院でも10割請求の事例
 愛知県豊明市の藤田医科大学病院ではマイナ保険証を読み取る機械を約2年前に設置しました。

 藤田医科大学病院では1日に約40人が利用するといいます。

Q.現場の変化は
「まだ利用開始されてからそれほど時間も経っていないし、操作に不慣れの人もいるので、操作性の説明を新たに加える必要がある」(藤田医科大学病院 医療事務室 坂田裕介室長)
Q. その場では10割負担になることも
「保険証が変わったなど情報がリアルタイムで反映されずに、正しい保険情報が確認されないということがあり、(10割負担を)案内をした事例が実際にある」(坂田室長)
 

藤田医科大学病院に設置しているマイナ保険証のカードリーダー

使い方によってはメリットも
 藤田医科大学病院では、マイナポイントの駆け込み需要があった2月からマイナ保険証の利用者が大幅に増えているということです。

「とりあえず持っていて、ひもづけもポイントがもらえるから(マイナンバーカードを持った)」(マイナ保険証を使ったことがある人)

 健康保険証を忘れてしまい、マイナ保険証を利用した人も。

「たまたま保険証を忘れて、マイナンバーカードでも可能と言われて、使ったら受け付けしてくれて、大金を払わずに診察を受けられた。こんなに簡単なら(これからも)使おうかと思いました。びっくりです、あまりに簡単すぎて」(マイナ保険証を初めて利用した人)

 一方で、マイナ保険証を使ったことがない人は…

「便利さもあると思うので、どこかで切り替えていきたいとは思うが、現状だと怖いかなという気持ちが強い」(マイナ保険証を使ったことがない人)

 病院は使い方によってはメリットもあると話します。

「患者の医療に関する情報が共有されて各医療機関で閲覧できて、診察に役立てられれば医療の質の向上につながると思うので、このあたりが加速するとより良い医療の提供ができるのではないか」(藤田医科大学病院 医療事務室 坂田裕介室長)

(6月22日15:40~放送メ~テレ『アップ!』より)
 

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