“霊長類最強”吉田沙保里さん超えへ 目標のパリ五輪へまっしぐらの19歳に密着

2023年6月22日 17:09
三重県四日市市出身、レスリングの藤波朱理選手。あの霊長類最強と呼ばれた吉田沙保里さん超えへ――。さらに、二人三脚で歩む父への想いに迫ります。

藤波朱理選手と父・藤波俊一コーチ

 パリオリンピック開幕まで400日。

 憧れ続けた夢の舞台へ大きく前進した、地元アスリートがいます。

 三重県四日市市出身、レスリングの藤波朱理選手、19歳。

 「絶対に自分が今年、オリンピックの代表権を必ず勝ち取るという目標を持って日々頑張っていきたいと思います」(藤波朱理選手)

 中学2年から6年間、公式戦負けなしの119連勝。しかも、2022年から1年半、相手に1ポイントも許していません。

 パリオリンピック金メダル、大本命の彼女の武器。長い手足から繰り出されるタックルを軸とした攻めのレスリングです。

 そのスタイルは、かつてオリンピック3連覇を成し遂げたレジェンド吉田沙保里さん、さながら。

 同じ三重出身で同じ階級の藤波選手は2世との呼び声も高いんです。

 「すごく強いので、2世とか、私もちょっと分からないけど。手足が長くて、スピードがある。テクニックもすごいので、どこまで連勝を伸ばすのか、私も楽しみですね」(吉田沙保里さん)

 これまで積み上げてきた連勝記録も吉田さんに並んでいました。
 

志土地真優選手に勝利した藤波朱理選手

レジェンド・吉田さんを越える公式戦120連勝をマーク
 先週の全日本選抜選手権。優勝すれば、パリオリンピックに大きく近づく世界選手権の代表が決まります。

 レジェンド超えの120連勝をかけた試合。立ちはだかるのは、東京オリンピック金メダリストの志土地真優選手。

 「自分の中ではすごく楽しみだった。ずっと対戦したかった選手なので、やっとできるという思いで試合に挑みました」(藤波朱理選手)

 同じ四日市市出身の志土地選手とは、初対戦。第1ピリオド、開始1分。幸先よく2点を先制します。

 しかし、相手はオリンピック女王。タックルに入ったところをうまく返され、実に1年半ぶりの失点を喫します。
 
 それでも、後半は藤波選手のペース。背後をとり、得点を奪うと――

 最後まで、攻めのレスリングを貫き、金メダリスト相手に、フォール勝ち。吉田さんを越える公式戦120連勝をマークしました。

 「連勝記録に関して特に何も思っていない。今は目の前の勝ちと、目標を達成することに集中しています」(朱理選手)
 

朱理選手の父・藤波俊一コーチ

コーチであり父の俊一さんと二人三脚で歩む
 目標のパリオリンピックへ、まっしぐらの19歳。活躍の裏には、ある人の存在がありました。

 「本当に感謝、感謝です。父がいなかったらここまで来られていないと思います」(朱理選手)

 コーチであり父の俊一さん。4歳で競技を始めてからずっと、二人三脚で歩んできました。

 その夢もまた、娘と同じ。

 「オリンピックは最高の舞台と思います。私もコーチとして一緒に出てみたい」(朱理選手の父・藤波俊一コーチ)

 2022年、朱理選手は日本体育大学に進学。父は、長年三重で務めた教員を辞め近くで支え続ける決断をしました。

 現在は、地元を離れ東京で親子二人暮らし。年頃の娘と父親。ぶつかることも少なくありません。
 
 それでも――

 「ケンカもするし、ムカつくこともあるけど、自分を一番に思ってくれているから感謝。教員を辞めてまでの覚悟。その覚悟を無駄にしたくないし、自分にかけてくれているというその思いに絶対に応える」(朱理選手)
 

決勝を戦う藤波朱理選手

「目標はパリ五輪で優勝すること」
 準決勝も勝ち進み、迎えた決勝。その相手は、23歳以下の世界選手権で優勝経験もある同い年の清岡選手。

 開始、わずか30秒で先制点を奪うと――

 止まらない朱理選手の勢い。隙を与ず、攻めのレスリングでポイントを重ねていきます。

 相手を圧倒し、得点を許すことなく大会3連覇。世界選手権の切符を手にしました。

 「やっとここまで来た。よく頑張ったと思います」(朱理選手の父・藤波俊一コーチ)

 「優勝した瞬間、うれしさもあったけど、自分の目標はパリ五輪で優勝すること。まずは世界選手権で優勝して、パリ五輪の代表権を勝ち取っていきたいと思っています」(朱理選手)

 9月の世界選手権。メダル獲得で、夢のオリンピック出場が内定。

 藤波親子の二人三脚はまだまだ続きます。

 (6月22日15:40~放送 メ~テレ『アップ!』より)
 

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