「日常生活に一歩近づけた」大雨で車水没、生活立て直しに無料貸し出し支援スタート 愛知

2023年6月20日 17:12
6月2日の記録的大雨で多くの車が被害にあい、愛知県内でも生活の立て直しに影響が出ています。そんななか、車を無料で貸し出しする支援が始まりました。
 愛知県によりますと、6月2日の記録的な大雨で県内の農林水産被害額の合計は約66億3000万円にのぼるほか、住宅被害は全壊が3軒・半壊が123軒・床上浸水が362軒などとなっています。

 車の水没も相次ぎました。

 豊川市の男性は、自宅に止めていた車2台が廃車になりました。

 車を失ったことで生活への影響が出ている人たちがいます。

 豪雨から18日を経て、20日から豊橋市で一般社団法人「日本カーシェアリング協会」が車を無料で貸し出す支援を始めました。

 「被害の大きい所を調査して回っているんですけれども、その中でも特にこの豊橋・豊川エリアは車の被災に関しては非常に大きな被害があったと、現地調査して分かりましたので対応を始めました」(日本カーシェアリング協会 代表理事 吉澤武彦さん)
 

愛知県安城市で水没した車(2日撮影)

相次ぐ車の水没「車がないと途方に暮れる」
 軽乗用車や普通乗用車は1カ月単位で、軽トラックは2日単位で貸し出されます。

 「車がないと被災者は本当に途方に暮れる状況に陥る場合が多いんですね。それが生活再建をすごく遅らせてしまうといいますか」(日本カーシェアリング協会 代表理事 吉澤武彦さん)

 支援は、今回の豪雨の被災者が対象です。

 事前申し込みと予約をして、免許証・携帯電話の番号・罹災証明書や被災したことがわかる写真などの提出が必要です。

 「夫が自転車で通勤してくれてるので、車が一台増えれば助かります。買い物に行くのも便利なので」(利用者)
 「車を利用してホームセンター行って掃除道具などを買って…。ありがたくてうれしいです。日常生活に一歩近づけたかなと思っています」(利用者)

 10月31日までの期間中、何度でも利用が出来ます。

 問い合わせは【070-1140-5458】です。
 

上から見た霞堤の仕組み

川の氾濫や堤防の決壊を防ぐ仕組みの見直しも
 今回の豪雨では、豊橋市の下条地区の農地で車が水没し、男性1人が亡くなりました。

 見つかった現場の一帯は、霞堤と呼ばれる堤防の一部に”切れ目”が設けられたエリアでした。

 この霞堤は、豊川が増水した際に、この切れ目から水を逃がすことで、下流に流れる水の量を減らし、川の氾濫や堤防の決壊を防ぐ仕組みです。

 豊橋河川事務所によりますと、下流域の安全性が高まる一方で、これまでに霞堤の周辺では浸水被害が数年に一度、起きていました。

 そこで、周辺の浸水被害を抑えるため豊川にある4つの霞堤の切れ目部分に、小堤と呼ばれる低い堤防を設置する工事がこの夏以降に始まり、2034年度の完成を目指しているということです。

 また同時に、豊川自体の流れをよくするための河川改修も行うということです。

 (6月20日 15:40~放送 メ~テレ『アップ!』より)
 

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