水中での激しい競り合い…水球に青春をかける高校生 将来の日本代表のエース候補・佐々木蒼太

2023年6月15日 18:33
オリンピック種目の一つ、水球。ヨーロッパでは「キング・オブ・スポーツ」とも呼ばれる競技で、将来の日本代表のエース候補が三重にいます。水中で繰り広げられる、激しい競り合い。水球に青春をかける高校生に迫ります。
 週に2度の実習で「化学工学」を学ぶ、四日市中央工業高校の佐々木蒼太選手。

「化工おもろいぞって言われて。じゃあ化工にしますって。化工に決めました。(Q.実際どう)面白いっすよ。他の学科より、多分面白いっス」(佐々木蒼太 選手)

 そんな理系男子が、情熱を注ぐスポーツが――

 「水中の格闘技」とも呼ばれる、水球。

 水深2メートルのプールで、1チームは7人。8分4ピリオドで、得点を競います。

 水中、水面、ともに行われるのが、激しい攻防。実は、ボールを持つ選手には、コンタクトも認められています。

 オリンピックでは、1900年、第2回大会から実施され、団体競技では、サッカーと並び、最も古くから行われています。

 前回の東京オリンピックでは、ポセイドンジャパンの愛称を持つ日本代表が、2大会連続の出場を果たすと、オリンピックで、実に37年ぶりとなる、勝利を掴みました。
 

四日市中央工業・水球部の部員たち

 その未来のポセイドンジャパン候補が、四日市中央工業のエース・佐々木蒼太選手。17歳ながら、20歳以下の日本代表にも選ばれています。

「サッカーとかは、ある程度、出来るじゃないですか。ボール蹴るだけで。でも水球って、まず浮かないと話にならないんですよ、その浮くっていう技術、初歩の初歩ですらも、難しいみたいな」(佐々木選手)

 常に浮き続けるため、体力の消耗が激しい競技。

 水中を漕ぐ「巻き足」という技術を鍛えるため、なんと15キロもの重りを抱えて、トレーニングすることもあります。

 鍛え抜かれた肉体を持つ、水球部の部員たち。中でも、佐々木選手が上げるベンチプレスの重さは――

「いま80キロです。110キロが、あとちょっとで上がるんで…」(佐々木選手)

 日本の成人男性の平均が、40キロといわれるなか、その2倍以上の重量を持ち上げてしまうんです。
 

水球部OB/元日本代表・川口智央監督

鍛え抜かれた肉体
 創部51年の伝統を誇る、四中工・水球部。OBでもあり、かつての日本代表・川口智央監督は、佐々木選手の攻撃力を高く評価しています。

「四中工の歴史の中でも、シュート力と筋力は、ピカイチだと思います」(川口監督)

 鍛え抜かれた肉体から放たれる、強烈なシュート。キーパー目線で見ても凄さは歴然です。

「身体を鍛えるほど、レベルアップしていくのが、目に見えたので。観客がワーって声をあげるような、そんなシュートを決めたいなって」(佐々木選手)
 

27人の部員をまとめるキャプテンに

もう一度「日本一を」
 2年前のインターハイ。

 四中工は、創部49年目で初めて、日本一を達成。佐々木選手も、当時1年ながら、レギュラーとして活躍しました。

 3年となった今、27人の部員をまとめるキャプテンに。

 高校最後の夏、見据えているのは、2年ぶりのインターハイ制覇です。

「自分が1年生の時に、優勝というのを味わわせてもらったので、今の1、2年生にあの気持ちを。なおかつ自分が3年生の時に、優勝したらどんな気持ちになるんやろ、みたいな。そっすね。夢というより目標ですね」(佐々木選手)

(6月15日15:40~放送 メ~テレ『アップ!』じもスポ!コーナーより)
 

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