大学生が”規格外野菜”を使いフードロス削減 捨てられるはずの野菜を使用「SDGsなランチ」

2023年6月14日 17:55
学生たちが自ら育てた野菜の中から、捨てられるはずの野菜を使って考えたランチとは?

規格外にんじんのアフタヌーンティーセット(1000円)写真は2人分

 枝豆の入ったおにぎりに、オムレツ、チーズケーキまで。3段のアフタヌーンティースタンドに乗った見た目も楽しいランチ。

 提供しているのは、岐阜県各務原市の東海学院大学にあるカフェ「さらまんじぇ・とーかい」です。

 誰でも利用できるこちらのカフェは、管理栄養学科の学生30人ほどがボランティアで運営していて、今年4月にオープンしました。

「2017年から管理栄養学科で野菜の栽培を始めて、マルシェやスーパーで販売をしてきた。その中で4割ほど規格外の野菜が出ることを知って。今年の3月にこちらのカフェが閉店するということで、それを引き継いで実店舗という形で営業を始めた」(4年生 河合輝明さん)

 このカフェの特徴は、使われているすべての野菜が規格外野菜であること。

 通常商品にならない、曲がってしまったりふぞろいな野菜を使うことでフードロス削減を目指しています。
 

規格外枝豆のアフタヌーンティーセット(1000円)写真は一部

規格外ランチを学生が考案
 これまでは、規格外の人参を使った焼き菓子などアフタヌーンティーセットがメインの販売でした。

 6月からは「ご飯も食べたい!」という声にこたえてまさに「SDGsなランチ」も提供することにしたんです。

 今の旬は枝豆ということで、メニューには、規格外の枝豆を使ったおにぎりとオムレツが。

「こちらが既製品の枝豆で、こっちが規格外の枝豆です。規格外ですと、ちょっと黒くなったりとか、割れて居たりとかするものがあって」(4年生 河合輝明さん)

 変わらないようにも見えますが、よく見ると規格外の枝豆は黒ずんだもの、さやが割れて中が見えてしまっているものがあります。

「どうしても野菜の栽培は天候に左右されることが多いので、雨の量だったり日昭時間等で変色だったり割れたものが正規のものとして取り扱えないというのが出てきてしまうので、枝豆は割れたものでも正規のものと同等に使えるので、ほとんどそのままの形で提供している」(4年生 河合輝明さん)
 

規格外野菜をカフェの材料として使用

規格外野菜→カフェの材料
 畑で野菜を作り、スーパーへ出荷をしている学生たち。トウモロコシやトマトなど20種類ほどを育てています。

 この日は各務原市の特産品、各務原にんじんの収穫日。JAぎふの担当者に指導してもらいながら、収穫していきます。

「いいんじゃない、これでLくらいかなこれはどうなんですか?これは出荷できないことはないけど、切り品って言って規格外になるいい形だけど頭を切っているので」(JAぎふ 細江貴生さん)

 栽培から収穫まで、学びながら行っている学生たち。サイズや形だけでなく、葉を切り落とす際に身の部分を傷つけてしまい全体の半分ほどが規格外となりました。

 ここで出た規格外野菜はカフェの材料として使用します

「自分たちの失敗が減ればもう少し出荷できる野菜が増えるかなと思った」(4年生 坂下莉都さん)

 また、畑にない野菜を使う際は、規格外のものを農家から仕入れます。

「格安でもやはりお金を払ってもらえれば商品になるので、農家から商品として買い上げてもらえる分には全く問題ないと思います。カフェの活動は農家のためにもなっていると思う」(JAぎふ 細江さん)
 

東海学院大学4年生 河合輝明さん

テイクアウトのコップはバイオプラスチックを使用
 カフェを訪れた人は…

「味は全然変わらないので、サイズが違ったり不揃いでもおいしく食べれるなと思った」(訪れた人)
「規格外でも同じ作物なので、こうやっていろんなメニューに展開できるというのはとてもいいことだと思う」(訪れた人)
「僕らではやろうと思わなかったことなので、先陣を切ってやってくれているというのは、同じ学生として誇らしく思う」(訪れた人)

 規格外の野菜以外にも、テイクアウトのコップには自然分解されるバイオプラスチックを使い、環境に配慮しています。

「食べれるものを捨ててしまうというのは作っている人にも失礼ですし、世界には食べられない子もいるので、ちゃんと責任をもって消費するということが大切なんだと思っています。活動を通して消費できるものを消費せずに捨ててしまうのは環境に良くないというのを伝えたいというのが1番です」(4年生 河合輝明さん)

(6月14日15:40~放送メ~テレ『アップ!』より)
 

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