停電明けの家電、慌ててコンセント挿すと思わぬ危険 大雨被害後に起きやすい"通電火災"の理由と対策

2023年6月9日 19:45
8日夜からの雨では大きな被害が確認されませんでしたが、梅雨のこの時期、警戒が必要です。大雨で自宅が停電したときに備えて、キッチンの停電対策やキッチンの危険について専門家に聞きました。
 台風シーズンを迎え、災害対策に気を抜けない時期。災害時に起きやすくなるのが「停電」です。

 照明器具が使えなくなれば、懐中電灯などで対策をしますが、「冷蔵庫」はどんな対策を取れば良いのでしょうか?

「その時の気温で多少前後するが、一般的には2~3時間と言われていて、停電時にすぐに常温に戻ってしまうわけではありません」(整理収納コンサルタント 澁川真希さん)

 整理収納コンサルタントの澁川真希さん。自身も、東日本大震災で被災した経験から「備蓄食材管理セミナー」などを開いています。

 停電時に少しでも冷蔵庫の機能を維持するために便利なのが“保冷剤”ですが、無い場合には、冷凍庫に収納している食料が保冷剤代わりとなるといいます。

「ごはんとかお茶とか、そういったものを凍らせて保存しておくことで保冷剤代わりに使うことができます。ゼリー飲料のようなものとかでも、最近は凍らせて使えるものがあるので」(澁川さん)
 

冷凍庫の凍ったおにぎりなどを冷蔵庫の上に置いて冷気を下へ落とす

凍ったおにぎりや飲料を保冷剤代わりに使う方法
 冷凍室から凍ったおにぎりや飲料を冷蔵室に移します。そこで、置き場所も重要です。

「冷気って高い所から低いところに落ちていくので、高い場所に置いていただいて、それをちょっと保冷剤代わりに使っていただく。冷蔵庫は7割程度の食材を入れる。冷気がまんべんなく回ってくれませんので、ギュウギュウには入れないっていうのが収納のコツもありますし」(澁川さん)

 冷凍おにぎりは、電子レンジが使えなければ蒸して解凍したり、スープの中に入れて雑炊にしたりして食べることができます。

「災害時には、コンビニもやっぱり開かないという状況になってしまいますし、やはり自宅で数日の備えをしておくことが必要になってくると考えます。日頃から、例えばにごはんが余ったらおにぎりを作って冷凍をしておくと、忙しい朝でも温めればすぐ食べられますので、日常からそういう備えをしていただくと日常も大丈夫ですし、非常時も大丈夫ということにつながってくると思います」(澁川さん)
 

家を空ける場合はブレーカーを落とす

浸水や雨漏りしたあとの家電の使用時は“通電火災”に気を付ける
 続いては、停電から電気が復旧したあとの注意点です。名古屋市消防局が呼び掛けているのが――

「気を付けていただきたいのが、“通電火災”というものになる」(名古屋市消防局予防課 細原涼司さん)

 浸水や雨漏りでコンセントや電気機器の内部に水が入った状態で、停電が復旧すると、ショートして発火するおそれがあります。

「アイロンなど熱を発生させる家電製品を使用中に停電した場合、電源を切らずに避難して、再通電した際に接触していた布などが再加熱されて、出火に至るケースもある」(消防局予防課 細原さん)

 では、通電火災を防ぐにはどうしたらいいのでしょうか?

「(停電した場合は電気機器の)スイッチを切っていただく。その後に電源プラグをコンセントから抜いていただくことが、まず一つ。停電状態で外出されたり避難されることで、家を空ける場合はブレーカーを落としていただく」(消防局予防課 細原さん)

 停電中に自宅を離れる場合は、ブレーカーを落とすことが重要な対策のひとつです。
 

停電から電気が復旧したあと“通電火災”に気を付ける

浸水した機器の水分や汚れをきれいに拭き取っても内部故障で発火のおそれ
 一度、水没してしまった電気機器は――

「絶対と言っていいほどだと思うが、使用しないようにしていただきたい」(消防局予防課 細原さん)

 例えば、大雨などで電気機器が水につかった場合、水分や汚れをきれいに拭き取っても、内部が故障している可能性があるので、発火するおそれがあります。

「(水没していないくも停電後は)本体に損傷がないか確認していただいて、電源を入れる前に周囲に燃えやすいものがないかどうかを確認したうえで、電源を入れるようにしていただきたいと思います」(消防局予防課 細原さん)

(6月9日 15:40~放送 メ~テレ『アップ!』より)
 

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