梅雨時の洗濯物の生乾き臭、原因は「モラクセラ菌」 撃退のカギは高温

2023年5月30日 19:24
部屋干しだと乾くのが遅い、洗濯物。干す場所が少ないなど困りごとも…。そこで洗濯グッズが豊富にそろう名古屋市内のホームセンターで、梅雨時のおすすめ商品を教えてもらいました。
 まずは、物干し。「移動らくらく軽いアルミ物干し」(3828円)

「室内で洗濯物を干すときにこれを広げてタオルや小物を干すのに使っていただくもの」(DCM21熱田店 広瀬尚彦 店長)

 タオルや靴下などを50枚以上干すことができる、こちらの物干し。風を当ててみると…

 洗濯物が回転し、乾くスピードも一段とアップし、生乾き臭も抑えることができます。

 また、女性が片手でも持ち上げられる軽さで、小物類を干せるピンチハンガーとタオルかけが付いています。脚を畳んで、コンパクトに収納することもできます。
 

DCMポイっとビーズ(1097円)

生乾き臭を軽減する商品も
 続いては「DCMポイっとビーズ」(1097円)

 こちらの商品、どうやって使うのかというと…

「洗濯物と一緒に入れると、部屋干しの時にでる生乾き臭を抑えてくれる優れもの」(広瀬尚彦 店長)

 このネットの中には、カビやにおいを抑える成分が配合されたビーズが入っています。

 洗濯機を回すときに、ポイっと入れることで、洗濯物の生乾き臭を軽減するだけではなく、洗濯機自体の除菌・抗菌・消臭も出来る、まさに一石二鳥です。

「一緒に洗濯することで、においやカビをおさえることができる。物干しよりも手軽で投げ入れるだけ。誰でも大丈夫です」(担当者)

 こういった対策グッズを活用することで梅雨の時期をうまく乗り切れるかも。
 

モラクセラ菌(画像提供:花王株式会社)

生乾き臭の原因「モラクセラ菌」
 洗濯したのに、衣類やタオルから漂う、生乾き臭。

「原因はモラクセラという細菌が作り出すものになります」(愛知学院大学 河村好章 教授)

 愛知学院大学の河村好章教授は、2011年に、生乾き臭の正体を突き止めました。

「モラクセラ菌は、いわゆる環境菌というものなので、人間生活の中のあらゆるところに生息している細菌になる。細菌自体は、ニオイを出さないが(汗や皮脂などの)栄養分を取り込んだりして、それを分解したりしてフンのようなものを出す。これがニオイを出す」(河村好章 教授)

 生乾きの、くさいニオイは、モラクセラ菌の排泄物から出るニオイ成分だったのです。

「梅雨の時期になると湿度も高いですし、皆さん汗もかくので汗で汚れた洗濯物を洗濯かごに長時間放置しておくというようなことをするとそこの過程でモラクセラ菌はどんどん増殖してくる」(河村好章 教授)
 

タオルに付着したモラクセラ菌と温度(愛知学院大学 河村好章 教授の実験より)

モラクセラ菌、撃退のカギは「高温」
 洗濯後も残るモラクセラ菌を撃退するカギは「高温」です。

 これまでは60℃で死滅すると言われてきましたが、モラクセラ菌をタオルに付着させて調べたところ、常温の25℃で3000万匹いたモラクセラ菌が、60℃では7万匹残り、80℃でゼロになることが分かってきました。

「(モラクセラ菌の撃退方法は)乾燥機の中でも特にガスを使ったりした乾燥機、あるいはコインランドリーなんかの大きな業務用の乾燥機」(河村好章 教授)

 コインランドリーの乾燥機は、家庭用の乾燥機よりも乾かす機能が高いためより効果的です。

 ただし、衣類によっては乾燥機が使えなかったり、熱に弱い場合があったりするので、事前に「洗濯表示」をチェックする必要があります。

「(基本は)なるべく早く洗濯をする、こまめに洗濯するということが重要かと思います」(河村好章 教授)

(5月30日15:40~放送メ~テレ『アップ!』より)
 

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