お弁当の傷みが気になる季節…食中毒を防ぐ3原則 ハイテクすぎる容器「すぐサマシーン」も

2023年5月25日 19:03
気温や湿度が高まるこれからの季節、注意したいのが食中毒です。アウトドアや、家庭で、勘違いしがちな食中毒対策のポイントや、お弁当の傷みを防ぐ最新便利グッズを取材しました。

食中毒対策のポイント

トングと箸の使い分けが重要
 良く晴れた5月中旬のある日、キャンプ場でBBQを楽しむ人たちの食中毒対策を見せてもらいました。
 

「乗せる」「裏返す」「取り上げる」…トングと箸を使い分ける

しっかり焼いて菌をやっつける
 まずは、友達夫婦で来ていた50代、60代のグループ。食中毒の原因となる菌を「付けない」調理器具の使い方について聞きました。

「トングや箸の使い方は気を付けている?」(鈴木アナ)
「自分たちは割りばしで食べて、焼く時はトング」(女性客)

「焼きあがったものを配るときは?」(鈴木アナ)
「トングです。熱いので。皿に乗せてどうぞ。と」(女性客)

 実はこれ、間違いなんです。

 農林水産省は実験で、ホットプレートに肉を「乗せる」、「裏返す」、焼き上がった肉を「取り上げる」という3つの動作を、トングと箸を使い分けて行い、菌が残っていないか調べました。

 すると、焼き上がりまで同じトングや箸を使った肉や、裏返すところから箸を使った肉には、菌が付着。
菌がいなかったのは唯一、焼いて、裏返すまではトングを使い、取り上げる時は箸を使った場合だけでした。

「替えるっていう頭がなかったですね」(女性客)

 トングと箸を適切なタイミングで使い分け、しっかり焼いて菌を『やっつける』ことが大切なんです。
 

食材の隙間を埋めるように入れる

食材は適切に冷やす
 続いては、食中毒菌を「増やさない」ために――

「“食材の管理”について。食材はどんなふうに持ってきた?」(鈴木アナ)
「大きいクーラーボックスに保冷剤をたくさん入れて持ってきた」(女性客)
(中を見せてもらって)「氷が一袋と保冷剤も4~5個くらいはありますね(中に手を入れて)ヒンヤリしてますよ!」(鈴木アナ)

 温度で色分けできる「サーモカメラ」で見てみると――

「周りは真っ赤なんですけど、クーラーボックスの中はかなり温度が低いですね」(鈴木アナ)

 食材の隙間を保冷材で埋めるように入れると、保冷力が長持ちするそうです。加えて、大切なのが――

「(クーラーボックスに)食材を入れる時はどんな状態?」(鈴木アナ)
「袋が入っているやつにさらに上から袋。(ドリップが)漏れないように」(20代 男性客)

 この対応も、大正解なんです。

 農林水産省によると、肉や魚のパックをそのまま入れるのはNG。ドリップが漏れて他の食材につかないよう、それぞれビニール袋に入れて持ち運んでほしいとのこと。
 

切る順番や表裏の使い分け

まな板シートの使用を
 さらに「まな板」の使い方でも、食中毒菌を「付けない」ひと工夫を。

 野菜、魚、肉の順で切り分けるか、表と裏での使い分けを心がけてほしいということです。

「まな板だと上にまな板シートを敷いて、定期的に取り替えるとか、包丁だと別にハサミもあるのでハサミを肉に使うとかですかね、対策は」(20代 男性客)

 細菌やウイルスなどが原因となり、腹痛や下痢、嘔吐など様々な症状を引き起こす食中毒。家庭で勘違いしがちな「3つの間違い」があるそうなんです。
 

食材の管理に気を付ける

加熱に強い菌も存在
 「栄エンゼルクリニック」の水野芳樹院長に話を聞きました。

 まず1つ目は「臭わなければ大丈夫」?

「臭い・臭くないとかで判断すく人がいるが、細菌そのものが匂いを発生することはほとんどない。匂いだけで判断するのは危険です」(水野院長)

 水野院長によると、細菌自体は無味無臭。「腐敗」とは違って、臭い・味・色でも判断はできないということです。

 続いては、「賞味期限を守っていれば大丈夫」?

「賞味期限はあくまでも適切な環境に保存したときの目安になるので、特に夏場はその食材を置いている状況の適温や保冷状態を十分に考えて、あまり当てににしない方がいい」(水野院長)

 たとえ賞味期限内でも、日なたに置いたり、開封済みのものを放置すると菌が繁殖する可能性が。信じすぎるのはNGなんだそう。

 3つ目は食中毒対策で有効とされる「加熱すれば大丈夫」?

「ほとんどの菌はある一定以上加熱すれば死ぬが、一部の菌の特性によっては加熱しても死なないものもあるし、菌が出す“毒素”も熱に非常に強く、高温にしても壊れないものもあるので、知っておいてもらいたい」(水野院長)

 その一例が、ヒトの手指や傷口などにいる「黄色ブドウ球菌」。毒素は、100℃で30分加熱しても分解されないそうなんです。

 一番の対策は菌を「付けない」こと。荒れた手、傷がある手で直接食品などに触れないよう、心がけてください。
 

飲みかけのペットボトルに注意

飲みかけのペットボトルも危険
 そしてもう一つ、誰しもやりがちな「飲みかけのペットボトルの放置」について、こんなデータがあります。

 栃木県宇都宮市の衛生環境試験所によると、口をつけたペットボトル飲料を30℃の環境に置き、細菌数の変化を計測したところ、「ミルクコーヒー」は24時間で1万倍、48時間で30万倍に。

「菌の栄養となるような、甘みのあるものが入っているジュースやコーヒー飲料、牛乳など、栄養があるものが入っているものは、菌が入ったときに増殖しやすいので、菌が繁殖しやすい温度に置かない方がいい」

 ちなみに、甘味のない「麦茶」でも、原料の「麦」が栄養となり、細菌は24時間で3倍に。

 ペットボトル飲料は、より短時間で飲み切るか、コップに移して飲むのがオススメだそうです。

 食中毒といえば、もう一つ気になるのが「お弁当」です。

 名古屋の「栄ロフト」では、この時期、蓋が保冷材になっているお弁当箱など食中毒対策に特化したグッズを数多く取り揃えています。

「食材の痛みが気になる方はこれから出てくると思うので、安心して食べて頂けるような形で、便利なグッズをそろえています」(栄ロフト生活雑貨担当 小山 美咲さん)
 

お弁当あら熱冷却ドーム「すぐサマシーン」

お弁当を冷ますハイテクマシーン
 さらに東京の家電メーカーからは、この時期役立つハイテク商品が。その正体は――

「何ですかこれ?透明のドーム型の容器…」(鈴木アナ)
「これ何かというと…お弁当を冷ますためのマシーンです!」(ディレクター)
「お弁当を冷ましてくれる!?そんなグッズ聞いたことない!」(鈴木アナ)

 その名も、お弁当あら熱冷却ドーム「すぐサマシーン」。果たして実力は?
 今回は、ディレクターの昼食のお弁当を冷ましてみます。

「(底を触って)まだまだホカホカですね。今すぐ食べたい状態ですけど、お弁当として包むには若干不安があるかな…」(鈴木アナ)
 

短時間でお弁当を冷やす

短時間で冷却
 「すぐサマシーン」の使い方はとっても簡単。タンクに水を入れ、ドームの中にお弁当箱をセット。あとはボタンを押すだけ。

「お~!すぐに出てきました、細かい霧状のミストが!段々容器の中に充満していきます」
 出てきたのは、ひんや~り冷たいミスト!これでお弁当の熱を奪っていくんです。

 さらにもう一つのボタンを押すと――

「風がすごく出てきてますね!」(鈴木アナ)
 ドーム上のファンから風が!
 お弁当をセットしてから10分。取り出してみると――

「おぉ~!確かに冷えてますね!」(鈴木アナ)

 サーモカメラで見てみると、違いは一目瞭然。ミストと風、さらに底についているアルミプレートの力で、短時間でお弁当を冷ましてくれるんです。

「10分少々でこれくらい冷えるなら、朝の忙しい時間帯でも助かります」(鈴木アナ)

(5月25日 15:40~放送 メ~テレ『アップ!』鈴木しおりの「一歩前へ」より)
 

これまでに入っているニュース

もっと見る

これまでのニュースを配信中