全国で広がりを見せるフードロス対策 少しでもお得に買えるサービスが豊田市に 愛知

2024年5月14日 11:31
値上げの波が続き、店も消費者も試行錯誤の毎日。そこで、全国で少しずつ広がりを見せているフードロス対策に注目しました。

注目のフードロス対策とは

 名古屋市千種区にあるスーパー「サンエース春岡店」。

「オレンジジュース(474円)がここ最近、値上げが顕著なものになっています」(サンエース 商品本部長 宮下裕基さん)

Q横のグレープフルーツジュースは301円、フルーツが違うだけでこんなに値段が違うんですか
「10月くらいまでは同じような値段で販売していました」(宮下さん)

 こちらのオレンジジュースの値段は、去年9月ごろと比べると、180円以上アップしています。

 値上げの理由は、世界的に起きている、オレンジ不足です。今、お客さんが手に取るのは「国産のみかんジュース」だといいます。

「実際に値上げしたものを買うくらいだったら、原料のいいおいしいものをいただきたいお客様も多く好評いただいている商品のひとつ」(宮下さん)
 

大幅に値段が上がっている「オリーブオイル」

店側も買い物客も試行錯誤
 大幅に値段が上がっている「オリーブオイル」では、こんな努力も――

「競合店の対策や、お客様のことを思いまして値上げを控えている商品」(宮下さん)
Q本来はいくらで売らなければいけない
「本当ですと200円~300円値上げしたい商品です。お客様のためです。そこはがんばらせてもらいます」(宮下さん)

 店側は、少量サイズを展開するなど、少しでも客に手に取ってもらいやすいよう試行錯誤しています。

Q.いろんな商品値上がりするたびにお値打ちとか、プラス策があったが
「今回は、あまり相場が下がった商品は実はない。電気代や人件費が上がるなか、実際食べておいしい商品を販売しお客さんが満足できるような環境を整えたいと思っています」(宮下さん)

 買い物客も家計の負担を抑えるため、惜しみない努力が続きます。

「新聞に入ってくるチラシを見て(買う)。値上がりと言ったら、やっぱり買っておきたい油とか。だから流しの下とかパントリー、すごいよ」(買い物客)
「LサイズとかMサイズ、少し安いものを選ぶ、数とか。前みたいにあれもこれも買えなくなりました」(買い物客)
 

「100円朝食」で学生を支援

大学で「100円朝食」
 名古屋市天白にある名城大学で13日から2週間限定で始まったのが「100円朝食」の提供です。

 午前8時半の開店と同時に学生たちが列を作りました。

「学生と話をしても物価高などを気にしている学生が多いので、そういったところを支えることができればいいなと思っています」(名城大学学務センター 樋口義博さん)

 こちらのカフェで提供しているのは「ドリンク付きのオープンサンド」です。

「卵とお肉と野菜が入っていてバランスいいなあって思います。コンビニとかでやっぱり買うと、高いじゃないですか。だからあったかいし安いしでいいなって思います」(1年生)

 100円朝食を開始したのは2016年。当初は朝食を食べる習慣づくりが目的でしたが、去年からは物価高騰で食事を控える学生たちを支援するようにもなりました。

「友達と遊ぶようなお金とかも崩しながらとかもあるのでいいかなと思う」(2年生)

 オープンサンドは1日30食を用意しましたが、約15分で完売となりました。
 

去年12月から始まった「タベスケ」

お得に買い物「タベスケ」
 物価高の今、少しでもお得に買い物ができるサービスが愛知県豊田市に。

「豊田市では『とよたタベスケ』というフードシェアリングサービスを展開しています」(豊田市 循環型社会推進課 加藤凌次さん)

 豊田市で去年12月から始まった「タベスケ」。

 賞味期限が切れていても食べられる商品などを事業者が割安でWEBサイトに出品。

 それを消費者が購入予約し、実際に店舗に受け取りに行くというサービスです。

 現在、全国で23の自治体が導入しています。

「豊田市内の販売店で売れ残った商品や、規格外野菜を出品してもらって、最大半額、よくあるのが3割引きで出品」(加藤さん)

 事業者のフードロス削減のために「タベスケ」を導入した豊田市。今は市内の飲食店など12店舗が登録しています。

「現在までに約3キログラムほどの食品ロス削減効果があります。よくあるのが、たこ焼き屋さんやおにぎり屋さん、テイクアウトの商品を取り扱っているお店が特にタベスケと親和性が高い」(加藤さん)
 

ウインナーを半額に

かなりのフードロス軽減につながる
 市内にある「Cafe&Bar BooN」。市が導入した当初から「タベスケ」に参加しています。

「今日ちょうど期限が切れちゃうんですけど、このウインナーですね。ちょっと期限が切れているんですけど、ビールを出そうかと思う」(Cafe&Bar BooN 瀧澤潔代表)

 ウインナー5本セットは半額の429円。ビールは3割引きの440円でお得に買うことができます。

Q.品質的には
「特に問題はないですね。売る前に自分でも味は確認してから出しているので」(瀧澤代表)

 賞味期限などもWEBサイトには明記されているので、確認してから買うことができます。事業者にとっては、かなりのフードロス軽減につながっているといいます。

「特にコロナの後、客数が減って廃棄が多かったのがあったので助かっています。これでお店を知ってもらえるものいい」(瀧澤代表)
 

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