波打ち際でも1.5倍の高さの波が迫る 海保に聞く「海水浴での事故防止」

2023年7月29日 08:12
夏休み中、海に遊びに行く人も多いと思いますが、海には、油断すると大きな事故につながりかねない様々な危険があります。海のプロ、海保の職員に事故防止に知っておきたい注意点を聞きました。
 愛知県西尾市の海水浴場で、楽しんでいる親子。

 みんな、服を着たまま水に浸かっています。

 「1回も服を着たまま水に入っていないと、パニックになります」(指導員)

 「日本赤十字社」主催のこの講習会は、海水浴の事故を防ぐため、親子を対象に行われました。
 

海水浴の事故防止1「まずは決して慌てない」

海水浴の事故防止1「まずは決して慌てない」
 服を着たまま、不意に水に入ると、気が動転してしまいます。

 まずは、決して慌てないことを知ってもらいます。

 「水面に出すのは口と鼻だけ。上を向いてあごを出すと、浮きます」(指導員)
 

海水浴の事故防止2「浮いたまま救助を待つ」

海水浴の事故防止2「浮いたまま救助を待つ」
 足のつかないところで、慌ててやみくもに泳ぐと疲れてしまいます。

 空を見上げて口と鼻の呼吸を確保したら、足を広げて膝を曲げて、浮いたまま救助を待ちます。
 

海水浴の事故防止3「ペットボトルで体を浮かせる」

海水浴の事故防止3「ペットボトルで体を浮かせる」
 「ペットボトルにつかまってね。まずは両手で抱えて、1番浮きたいところは
、鼻と口ですよね」(指導員)

 ペットボトルがあれば、抱えることで体を浮かせることができます。

 しかし、救助する側にも覚えてほしいことがあると言います。
 

海水浴の事故防止4「少し中身を入れると投げやすい」

海水浴の事故防止4「少し中身を入れると投げやすい」
 少し中身を入れた方が、投げやすくなるそうです。

 講習会に参加した親子は――
 「仰向けで浮くのは知っていたが、足を曲げるのは知らなかったので、勉強になった」(4年生)
 「浮いて待つや浮き方などためになりました」(保護者)
 「学校では着衣水泳などあるが、親が一緒になって行けないので、どういう感じでやっているのかわからなかったので、一緒に体験できてよかったなと思いました」(保護者)

 「仮におぼれてしまった場合にも、どうやって助けを待てばいいのか意識してほしい。夏のレジャーで海の旅行が多いと思うので、親子で体験してもらうことも大きいと考えています」(日本赤十字社 愛知県支部 平林義康さん)
 

動物形の大きな浮輪は、風を受けて遠くまで流される可能性が高い

「浮輪」に注意
 第4管区海上保安本部によると海水浴場などでの遊泳中の水難事故は、この地方で、年間15件ほど起きているといいます。

 注意点を安全対策課の武藤さんに聞きました。

 1つ目は「浮輪」に注意

 「浮輪の中でも動物の形の大きなものは、風を受けて遠くまで流される可能性が高くなります」(第四管区海上保安本部 武藤洋央さん)


 

「離岸流」に注意

「離岸流」に注意
 2つ目は「離岸流」に注意

 「離岸流といいまして、岸から沖に向かって流れる。その速さはオリンピック選手でも抜け出すのが非常に難しい」(武藤さん)

 離岸流は岸に打ち寄せた波が沖に戻ろうとする現象。

 もし流された場合は――
 「幅が20~30mほどある流れになっていて、陸地と平行に泳ぐようにすれば抜け出すことができます」(武藤さん)
 

第四管区海上保安本部 武藤洋央さん

親子で海に行く時の注意点は
 親子で海に行くときの注意点は――

 「1.5倍の高さの波」

 「波打ち際でも100回に1回は1.5倍の高さの波、1000回に1回は2倍の高さの波が来るので注意していただきたいと思います。一緒にいることで、どんな波が来るか見てとれるので、子どもから目を離さないようにすることが大事」(武藤さん)

 (7月28日 15:40~放送 メ~テレ『アップ!』より)
 

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