叡王戦で連敗 藤井聡太八冠の師匠・杉本八段「次の対局は今までと違う姿が見られる」

2024年5月3日 17:40
愛知県瀬戸市出身の藤井聡太八冠。2日の叡王戦で連敗し、初めてタイトルを失うかもしれない窮地に立たされています。敗因はどこにあるのか。師匠の杉本八段に聞きました。
 2日、名古屋で行われた叡王戦五番勝負の第3局。

 藤井聡太八冠に挑戦しているのは、同学年の伊藤匠七段です。2日の対局は、藤井八冠が得意とする先手番。

 しかし、先に持ち時間が1分を切ると、徐々に苦しくなる藤井八冠。

 大盤解説会場では、約160人のファンが、戦況を見つめていましたが…

「藤井八冠が投了しました。まさかの2連敗になってしまいました」(記者)

 会場に来ていた将棋ファンは…

「ちょっと残念だが5局まで楽しむことができるので、(今後の)楽しみができたと思う」
「藤井先生はここで負けるタイプではないと思うので、次局は大丈夫だと思う」(静岡県から来た将棋ファン)
 

伊藤匠七段

伊藤匠七段「秒読みに入ったあたりは、こちらにも手段がありそうな気がしていた」
 先月の第2局でタイトル戦の連勝記録を16で止められたのに続き、伊藤七段に連敗。タイトル戦での連敗は初めての経験です。

「直前は負けがありそうな気がしていたが、秒読み(1分将棋)に入ったあたりは、こちらにも手段がありそうな気がしていた」(伊藤匠七段)

 一方の藤井八冠は…

「終盤がかなりちゃんと読めていない所が多かったと思うので、そのあたりが結果にも出てしまったかなという気はしている」(藤井聡太八冠)
 

杉本昌隆八段

杉本昌隆八段「最終盤の読みで藤井八冠を上回っていた」
 2日は現地で対局を見ていたという師匠の杉本昌隆八段に話を聞きました。

「逃げきるんだろうな、藤井八冠が勝つんだろうなというムードでした。あの将棋に関しては、伊藤七段の方が最終盤の読みで藤井八冠を上回っていましたよね。それが伊藤七段の勝因であって藤井八冠の敗因だといえる」(杉本昌隆八段)

 敗因は、伊藤七段の終盤の鋭さと指摘する杉本八段。4年前にタイトル戦に登場して以来、すべてのタイトル戦をものにしてきた藤井八冠。

 先に3勝した方がタイトルを獲得する五番勝負で、まさかの1勝2敗。
 

窮地に立たされた藤井聡太八冠

杉本昌隆八段「藤井八冠がどんな将棋を指すのか。非常に楽しみ」
 これまで一度も経験したことのない、タイトルを落とすかもしれない窮地に初めて立たされました。

「星取りとしては厳しい状況になってしまったと思う。カド番になってはしまいましたが、やることは変わらないので、第4局はしっかりまた準備してがんばりたいと思います」(藤井聡太八冠)

「次の対局は、ある意味今までと違う藤井八冠が見られると思う。初めて先に追い込まれたわけだから、そんな時に藤井八冠がどんな将棋を指すのか。これは非常に楽しみ」(杉本昌隆八段)

 8大タイトル全てを手にし、将棋界の顔としても多忙な日々を過ごす藤井八冠に訪れた八冠陥落の危機。注目の第4局は、今月31日、千葉県柏市で行われます。
 

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