建設現場のクレーン横転事故 足場の下に敷く鉄板の強度に問題か 名古屋 

2024年5月10日 16:37
名古屋市西区の建設現場でクレーン車が横転した事故。足場の下に敷く鉄板の強度に問題があった可能性があることが新たに分かりました。
 事故があった現場では、10日も朝からクレーン車の撤去にむけ、工事関係者らが慌ただしく作業を続けていますが、現在も現場から撤去するには至っていません。

 警察などによりますと、9日午前9時すぎ、西区五才美町の戸建て住宅の工事現場で、組み立て済みのユニットの一部をつり上げていたクレーン車が横転。近くの老人ホームに倒れ掛かったほか、電柱を倒しました。

 この影響で、周辺では停電も発生。中部電力パワーグリッドによりますと、最大1770戸が停電し、完全に復旧できたのは、事故から約17時間後でした。
 

伊藤抜型鉄工 伊藤暢朗代表取締役

停電によって機械がすべてストップ
「工場内が全部真っ暗になってしまったので、仕事は午前9時から11時ごろまではストップですね」(伊藤抜型鉄工株式会社 伊藤暢朗代表取締役)

 現場近くにある鉄工会社では、停電によって機械がすべてストップ。

 2時間後に復旧したため、取り引き先への影響はありませんでしたが、中でも一番困ったのが「電話」だったといいます。

「お客さんから『電話出ないけどどうしたの』と心配の電話があった。お客さんとの打ち合わせ、納期確認や受注など…仕事としての影響はそこが大きかった」(伊藤代表取締役)
 

横転した原因は調査中

足場の下に敷く鉄板の強度が低かったか
 また、停電の影響は一般家庭でも…

「冷蔵庫が使えないから、冷凍食品が溶けてしまった。肉や冷凍食品は全部廃棄した。困りますね」(近くに住む人)

 工事を施工・管理していた「トヨタホーム愛知」は、横転した原因は調査中としながらも、クレーン車の足場の部分が地面に沈み込んでいることから、足場の下に敷く鉄板の強度が低かった可能性があるとみて、調べているということです。

 名古屋西労働基準監督署は、今後、工事業者に法令違反がなかったか確認する方針で「違法が確認されれば、行政指導を行うなど適切に対応していく」としています。
 

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