今年は大阪北部地震や平成最悪の水害被害となった西日本豪雨など、災害が相次ぎました。同じような災害は、いつ東海地方に起きてもおかしくはありません。番組では、池上彰さんが東海３県を取材し、水害や地震への備えを考えます。
西日本豪雨では岐阜県関市にも大きな被害が出ました。池上彰さんが被災地を空から取材し、被害の特徴を分析します。また、大阪北部地震で課題となった「ブロック塀」について、名古屋市内での現状を現地取材します。
南海トラフ地震の「臨時情報」や災害時の「トイレ問題」なども取り上げ、「備えておくべきこと」と池上彰さんが分かりやすく解説します。
「防災の日」に命を守る備えについて考えていただけたらと思います。
「考える」ためのキーワード
1.西日本豪雨 岐阜県にも被害
2018年6月下旬から７月にかけて西日本を中心に北海道までの広い範囲で記録された大雨では、岐阜県関市でも大きな被害が出ました。被害から10日後に池上彰が上空から被災地を取材すると、氾濫した川の爪あとがまだはっきりと残されていました。被害を受けた上之保地区は、関市は大きな被害を想定しておらず「人間の裏をかくように災害が起きる」ことを目の当たりにしました。
東海三県は過去に何度も水害に襲われてきました。1976年に起きた安八豪雨では長良川の堤防が決壊しています。2000年の東海豪雨では名古屋市などの都市部が大きな被害を受けています。河川の氾濫などの災害に備え、ハザードマップなどを確認することが必要です。
2.大阪北部地震とブロック塀
2018年6月18日に大阪府北部を中心に最大震度６弱の地震が発生し、小学生の女の子を含む２人が倒壊したブロック塀の下敷きになり死亡しました。
その後、全国で建築基準法を満たしていないブロック塀の存在が明らかになりました。
取材班が訪れた名古屋市港区では住宅街にブロック塀があり、近くを小学生が登校する様子が見られました。専門家に検査をしてもらうと、ひびが入るなど、倒壊の危険性があるブロック塀が見られました。
名古屋市港区は、伊勢湾台風で大きな被害を受けたため、浸水しないように盛り土をし、ブロック塀を設けた住宅が多いこともわかりました。
3.「不確かな警告」南海トラフ地震 臨時情報
東海地方に大きな被害をもたらすとされる「南海トラフ地震」について、国は2018年に「臨時情報」を発表するとしました。「臨時情報」は南海トラフで異常な現象が観測され、地震発生の可能性が「相対的に高まった」と判断された場合に発表されます。
「臨時情報」が発表されたとしても、いつ地震が起きるのかは分からない、いわば「不確かな警告」です。
取材をした愛知県小牧市の運送会社では対策会議で「運転手への対応をどうするか」「危険な倉庫での作業を続けるべきか」といった課題が出されました。
「臨時情報」は、まず正しく理解し、出されたときにどう対応をするのか、話し合うことが重要です。
4.災害時のトイレ問題
熊本地震（2016年）の被災者へのアンケートで「避難生活の初期に最も困ったことは何か」と聞いたところ、上位を占めたのは「眠れる環境」「トイレ」「食事」いう回答でした。避難所の仮設トイレは「不衛生」「男女別ではない」「屋外で遠い」などといった理由で使用を拒む人もいて、重篤な健康被害も懸念されます。
災害時に役立つのが「携帯トイレ」です。一般的に「携帯トイレ」は、袋と凝固剤などがセットになったものです。断水で水が使えない時、袋に用を足して、凝固剤で固めます。使い方を覚えておくと便利です。
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| 内容 | 過去4回にわたり放送した特別番組「池上彰と考える!巨大自然災害から命を守れ」と、夕方のニュース情報番組「UP!」で放送した防災企画をもとに、南海トラフ巨大地震のメカニズムや被害想定、地震に対する備え、対処方法などをわかりやすく紹介。地域の防災、家庭の防災に真に役立つ一冊です。 |
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