オンブス6

オンブズ6 とは

メ~テレには、視聴者から寄せられた人権侵害や報道被害に関する問い合わせや苦情、批判に対して迅速に対応し、報道・制作の現場等に意見を述べるための第三者機関「オンブズ6」があります。
「オンブズ6」は、視聴者の皆様からの苦情に対応するだけでなく、人権侵害や報道被害に関し第三者の立場で放送に目を光らせ、被害が生じた場合は、社会通念や放送基準、各種法令に基づいてオンブズ的機能を果たしています。「オンブズ6」の「6」は、メ~テレのデジタル放送のチャンネル番号を表しています。

「オンブズ6」の委員は、大学教授の音 好宏氏、弁護士の松隈 知栄子氏、会社社長の九鬼 綾子氏に委嘱し、定期的に会合を開催するとともに、状況に応じて随時、社員及び社外スタッフ等に人権や放送倫理に関しての意見を述べて頂いています。

放送団体では、人権侵害や報道被害に関しては、放送と人権等権利に関する委員会が対応していますが、メ~テレでは、基本的人権を守り、正確で公正な放送をする立場から、より迅速かつ積極的、自主的に対応することが必要と判断して、2002年にオンブズ6を設置しました。

メ~テレの「オンブズ6」は、独自のもので、法的に設置されたものではありませんが、近年の捏造問題に端を発し、放送局に、より一層の自浄能力が求められる中、放送倫理の監視と是正勧告の意味を持つこの機関は、非常に重要な意味をもつものと位置付けています。

「オンブズ6」から指摘を受けた問題等は、随時、このホームページで公開します。

オンブズ6 近況

第50回 2018年9月27日(木)

憲法改正国民投票に関する放送対応について

議事概要

  • 憲法改正が発議され国民投票が行われる可能性が高まっている。これまで経験したことのない国民投票に向け、正確に民意が反映されるよう、メディアには国民が主体的に行動し意思を表明するための材料を提供していくことが求められている。投票直前の「意見表明」は規制対象外とすべきなのか、「虚偽情報」「不正確情報」は放送前の考査で十分にチェックができるのか等、様々な課題について意見交換。

オンブズ6の意見

  • 広告主が求める放送内容について、放送局の考査が的確に分析および判断ができるのかが問題。考査のあるメディアと考査のないメディアがあるが、考査のあるメディアは価値が高いということを、どのように提示できるかが問われている。
  • ソーシャルメディアが広がり、誰もが発信する意見により情報を操作できる世の中にあり、投票に際しての意見表明はどうしても結論を左右しかねない。その意味から投票直前の意見表明は、規制対象に入り得るものという感覚をもつ。
  • 憲法改正は日本の行く末、方向性を決めるもの。バラエティ的な情報番組も含め誰が何を発言するかにより一般市民は影響を受ける。事前に冷静な議論が必要であり、そのような場の提供をマスコミには期待している。

被害者報道の現状と今後について

議事概要

  • 犯罪被害者の実名や顔写真についてのメディア報道に対し、被害者側から匿名要請が寄せられるケース、視聴者や読者が疑義や拒否感を訴えるケースが目立つ。また、取材記者自身がSNS上で実名やプライバシーをさらされ標的化されるなど、ジャーナリズムが危機に直面している側面も見逃せない。実名報道そして被害者報道の向き合い方に関して情報共有のうえ、議論を深める。

オンブズ6の意見

  • 被害者への配慮が一定程度できつつ、取材も一定程度深堀りができた、というものをベストプラクティスとして報道機関で共有することが重要ではないか。今の時代状況にあわせた具体的な事例を積み重ねていくということ。
  • 被害者やその関係者に、知る権利や報道の使命を正面から訴えても相手の心にはなかなか響かない。なぜ実名や顔写真の報道が必要なのか、その報道がなぜ人権を守ることに役立つのかを、取材者が真摯に説明することが大事だと考える。
  • 被害者が実名や顔写真の報道を望まないのであればメディアは配慮すべき。加害者およびその周辺への取材についても、今はインターネットで検索すると個人に関する様々な写真や情報が入手できる時代でもあり、報道する側には取材の仕方の配慮など考えなければならない部分は多くある。

<第49回 2018年4月5日(木)>

「政府による放送法4条撤廃案の検討」をめぐる事情について

議事概要

  • 安倍政権が検討している放送制度改革の方針案が3月中旬に明らかになった。テレビやラジオ番組の政治的公平を求めた放送法の条文を撤廃するなど、規制を緩和し自由な放送を可能にすることで、新規参入を促す構えだとみられている。民放テレビ各局のトップらは、放送と通信のルールを一本化する内容に「民放の解体につながる」などと危機感を口にしている。この時期に放送制度改革が検討されることになった事情や背景について意見交換。

オンブズ6の意見

  • 2017年2月、BPO放送倫理検証委員会が選挙をめぐるテレビ報道について「政治的公平は量的公平ではなく質的公平」という意見を出したこと。また2017年10月、安倍総理がみずからインターネットテレビに出演したこと。このふたつが契機となって放送制度改革が検討されることになったという見方がある。
  • 規制改革推進会議における議論に対して、水面下では番組審議会や集中排除原則などをあげ放送局に関する規定をどうするか検討されているという情報がある。もし本当にそうだとすると、放送を規定するものがなくなってしまうので、NHK以外はインターネットテレビと同じ、つまり民放は要らないということになる。
  • 安倍総理は「産業界には放送局以外に放送をやりたい人がたくさんいる。だから、そういう人たちに開放すればよい」と言うが、その根拠がどこにあるのかがわからない。すごく疑問に思う。
  • 放送法で定めている「政治的に公平であること」「報道は事実を曲げないですること」は、実は本当に難しい。メディアの影響力は大きく責任も重い。この点について議論を深めていった方がいいと思う。

第48回 2017年12月19日(火)

MXテレビ放送番組に対するBPO委員会決定と当社番組考査の現状

議事概要

  • MXテレビ「ニュース女子」に対してBPO放送倫理検証委員会は、制作会社が制作して持ち込んだこの番組には複数の放送倫理上の問題が含まれており、そのような番組を適正な考査を行うことなく放送した点において、MXテレビには重大な放送倫理違反があったと判断した。この決定および持込番組に対する番組考査のあり方についてメ~テレの現状も併せて意見交換。

オンブズ6の意見

  • 当該番組は出演者がある程度は好き勝手な発言をすることを売りにするタイプの番組という印象を持っていた。今回の題材が沖縄基地問題ということもあったのかも知れないが、BPOがニュース性の高い観点から番組内容をみて偏見ありと判断したのは、やむを得ないと考える。
  • 番組内容は確かに偏っている印象を受けるが、この事案に対してBPOが「重大な放送倫理違反」とまで判断してしまうと、番組制作における縛りが今後きつくなることが懸念される。放送における公平性は大切だが、一方で番組ごとに様々なスタンスをもつことも重要だと感じる。
  • 主としてインターネットで流す番組に対して考査のあり方はどうあるべきなのか考えさせられた事案。さらに当該放送局では果たして番組審議会がどのように機能していたのか疑問を感じた。仮に同様の事案にメ~テレが直面した場合、番組審議会やオンブズ6がどのように機能すべきか、また持込番組に関する考査が緩むことなく適正に機能するために必要なことは何か、社内で検討しておくべき。

第47回 2017年7月7日(金)

都知事関連報道に関するBPO委員会決定について

議事概要

  • フジテレビが2016年5月に放送した情報番組で、舛添東京都知事(当時)の政治資金流用疑惑を取り上げた際の取材について、夫人と子どもがフジテレビに対して執拗な撮影で肖像権侵害を受け、放送場面は都合よく編集して視聴者を欺くものと申し立てた事案。BPO人権委員会は、肖像権侵害は認められない、放送場面についても放送倫理上の問題があるとまではいえないと判断した。そのうえで視聴者に誤解を生じさせないため工夫の余地はあったとした。決定には結論を異にする少数意見が付記された。このBPO決定について議論。

オンブズ6の意見

  • 公人に対する取材の際、プライベートである家族や未成年者が撮影時に画面に入ってきた場合、どのように対応すべきか考えさせられる事案。映像になるものとかニュース的な音になるものとかに引っ張られずに編集・放送することが重要。
  • 委員会決定では、事前に取材依頼を試みるべきだったとされている。取材対象や撮影時間等、配慮すべきことはあるが、事前に依頼をしないが故に明らかになることもある。そこには醍醐味があり、事前依頼なしに撮影するのは、ひとつの取材手法だと思う。
  • 今回の都知事関連報道に限らず、最近の様々なニュース報道で、編集などにより主語と述語の違う報道がなされているのではと感じることがある。視聴者に対して印象操作のようなことに繋がっているのではないかという危惧をおぼえる。

第46回 2017年4月6日(木)

BPO委員会決定に対する組織としての対応

議事概要

  • 2017年2月、NHKのSTAP細胞特集に関してBPO放送人権委員会が「勧告」として名誉毀損の人権侵害が認められる決定をくだした。これに対してNHKが意見表明、放送局側とBPOの意見が対立した。BPO決定に対して、放送局の組織としての対応のあり方について議論。

オンブズ6の意見

  • 「BPOの決定が出ると現場は萎縮する」という意見があるが、本当に萎縮するのか。仮にメ~テレが同様のケースに直面した場合、オンブズ6という組織を持っているのでBPOと意見が違うことは十分起こり得る。放送局の自主自律、視聴者とどう向き合うかに関る問題。
  • NHKが意見表明したことを、放送事業者は重く受け止めるべきだ。BPOと放送局とで意見が分かれることもあり得る。今回のケースが、次のステップを考えていく機会になればよい。
  • 視聴者の立場から考えると、放送に関する人権のチェック機関はあるべきで、いい緊張感が生まれていると思う。BPOの意見に対して放送局が意見表明できるような空気になっていった方が健全だと思う。

放送は萎縮しているのか?~BPOシンポジウムの議論をもとに~

議事概要

  • 2017年3月、BPO放送倫理検証委員会の記念シンポジウムが開かれた。テーマは「放送の自主・自律~放送と放送人、そしてBPOのあるべき姿を考える」。パネルディスカッションでは、放送局の萎縮の問題に話題が集中した。

オンブズ6の意見

  • BPOで出た決定に対して、放送局は番組審議会で確認をするのがよいのではないかという発言があった。放送局がBPOの意見を受けるだけでなく、放送局が自ら目の前の問題とどう向き合うのかということを考えられる状況にしておかないといけない、という問題意識が感じられる発言だった。
  • 視聴者か、権力か、何に対する萎縮なのか。権力に対して忖度や自粛をして当たり障りのない放送をしてしまうことがあれば大きな問題。公権力に対する萎縮がもしあるとすれば、放送局として排除していって欲しい。
  • 放送内容が視聴者の意見や空気に対して忖度されているところも少なからずあると思う。クレームをいう人が必ずしも多数派ではないこともある。クレームがないようにという放送局の配慮によって、視聴者として本当に知りたいことが放送で伝えられなくなるのでは、という不安がある。

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