名古屋テレビ 放送番組審議会だより

このページは「放送法」および「放送法施行規則」に基づき名古屋テレビ放送の放送番組審議会の議事の概要をお知らせするページです。
名古屋テレビ放送の放送番組審議会委員は8名で、会議は毎月1回、年間10回(8月と12月は休会)開催されます。放送番組の内容をはじめ、放送に関する全般的な問題についてご意見を伺い、番組制作の参考にさせていただいております。
名古屋テレビ放送では、放送番組審議会でのご意見を、毎月第1日曜日の午前5時35分から放送する「メ~テレオンブズ」の中でもご紹介しています。どうぞご覧ください。

<2012年7月分>

第536回 名古屋テレビ放送番組審議会

開催日
平成24年7月11日(水) 16:00~17:45
委員
  • 委員長:松浦好治
  • 副委員長:関口敦仁
  • 委員:池田桂子・諏訪哲史・岡本直之・佐藤久美

議事の概要

(1)業務報告

  • 社長挨拶(荒木社長)
  • 4月クール視聴率報告(狩野編成制作局長)

(2)審議テーマ

  • 5月31日(木) 10:51~17:25放送
    メ~テレドキュメント『赤い毒~毒ぶどう酒事件 再審の扉~』
  • その他
会議の風景

委員の主な意見です。

  • 長期間にわたる広範で丁寧な取材にもとづいた硬質な優れたドキュメンタリー。全体のトーンも抑制的で、事実だけを並べたことで押し付けでない主張がなされ、説得力があった。
  • 半世紀前の事件を生々しく表現し、特別面会人の取材などは大変迫力があった。
  • 「再審棄却の決定は不合理」という立場で作られており、死刑囚の「冤罪」の可能性について視聴者に印象付けることが出来ている。
  • 登場人物の言葉がすごく重く、人間って何なのか、人間の尊厳というものを司法はどう思っているのかなど考えさせられた。
  • 裁判所が下した推論への疑問、新証拠がなぜ取り上げられなかったのかという疑問に言及していないのは不満が残る。
  • 報道は客観的・中立的であるべきという立場からすると、一方に偏し、展開内容も論理性、説得力に欠けるものがあった。
  • 地元の反応の取り上げ方が中途半端で、あえて出す必要は無かったのではないか。
  • 「あり得ないということを意味しない」という判決文に「もっと分かりやすく説明しなさい」とマスコミから強く主張してもらいたかった。
  • 制作者の「私はこう思う」という主張を前提としたもっと偏って踏み込んだドキュメンタリーにしたほうが良かったのではないか。
  • 奥西さんを有罪にしたいという作為、事件を創作したい心理を持つ側から描けば「奥西さんの味わっている理不尽さ」をもっと強烈にあおることが出来たのではないか。
  • タイトルに込められた疑念について「疑いがあるんだ」というところまでもう少し踏み込んで、はっきりとものを言って欲しかった。
  • 相当いろいろな視点が存在するので、違う切り口の番組を見てみたいと感じた。
  • 今後の裁判の行方を追うと共に、検察不信の中での司法制度のいろいろな問題点も合わせ追求して欲しい。

局側は

  • メ~テレでもこの50年間名張毒ぶどう事件の取材に多くの記者が携わってきた。今回の再審請求にあたり、その取材活動に一区切りをつけたいという思いがあり、客観性が強く求められるニュースとは違ったこだわりのある視点を持ったドキュメンタリー番組に挑んだ。
  • 「冤罪」のレベルにはいろいろあるが、今回は、まったく有罪であるということが証明されているとは思えないのに有罪になっているケースにあてはまると考え、それが番組のトーンになっている。
  • 最高裁までいくことになるので、この後も取材を続けることになるが、いただいた意見を参考に続編を制作したい。

などと答えました。

(3)次回開催予定

8月は休会。
次回の放送番組審議会は平成24年9月12日(水) 15:30~
審議テーマ(1)…8月28日(火) 夜7:00~7:45放送 池上彰の『とことん学ぶ巨大地震・巨大津波』
審議テーマ(2)…『震災・原発報道について』