名古屋テレビ 放送番組審議会だより

このページは「放送法」および「放送法施行規則」に基づき名古屋テレビ放送の放送番組審議会の議事の概要をお知らせするページです。
名古屋テレビ放送の放送番組審議会委員は8名で、会議は毎月1回、年間10回開催予定です。放送番組の内容をはじめ、放送に関する全般的な問題についてご意見を伺い、番組制作の参考にさせていただいております。
名古屋テレビ放送では、放送番組審議会でのご意見を、毎月第1日曜日の午前5時00分から放送する「メ~テレオンブズ」の中でもご紹介しています。どうぞご覧ください。

<2024年7月分>

第656回 名古屋テレビ放送番組審議会

開催日
2024年7月9日(火)
参加者
(敬称略)
  • 委員長:五藤義徳
  • 副委員長:村田陽子
  • 委員:神田真秋、早川直樹、原田正樹、小出麻緒、林 秀弥、浦上愛子

議事の概要

(1)業務報告

  • 社長挨拶

(2)審議テーマ

  • メ~テレドキュメント『掌で空は隠せない~1926木本事件~』(5月25日(土)深夜2時30分~3時25分放送)
  • その他

委員の主な意見です。

  • ネットの世界では偽・誤情報が横行し、差別の問題も深刻化しているなかなので、木本事件の教訓については、現代的な警鐘という側面をもう少し強調してもよかったのではないか。
  • この事件に対し様々な考えや捉え方があるなかで、その不幸な歴史に関して、事実を事実として正しく伝えることが重要だというメッセージが強く伝わってきた。
  • 限られた放送時間に対し、さまざま内容が盛り込まれすぎていてやや難しく感じられた。子どもたちにも学びが多い番組なので、例えば小学生にもわかるような平易な表現にして、数回に分け放送するようなことがあってもよいのではないか。
  • 現代社会での差別問題を認識することは重要で、木本事件を歴史的事実にとどまらず我が事として認識しなければならないというメッセージを、登場人物のインタビューによって効果的に伝えられていた。
  • 木本事件が起きたメカニズムを探ること、事件を後世に伝えようとする人々の姿を映し出すことという2つの目的が十分果たせていた。特定の思想、視点に拘泥することなく抑制が効いていて、公平な視点で制作された良質なドキュメンタリーだと感じた。
  • 地元の人も語りたがらないような事件で、証言者を探し出し、膨大な資料を読み込むことで、歴史的背景を丁寧に取材するなど難しい検証にチャレンジしていた。こうしたデマや差別が起きる原因を過去から学ばなければならないというメッセージがよく伝わった。
  • 事件との関わりを避けたい地元住民の気持ちに寄り添う人もいるだろうし、悲劇を繰り返さないよう事実を見据える必要があると思う人もいるだろう。視聴者はそれぞれの答えを持てばよいが、事件の事実と命の大切さをもってすれば、自ずと悲劇は繰り返されないと信じたい。
  • 事件を経験した直接の当事者がいないなか、記録などから調査し、いろいろな関係者に登場してもらう形式になったのだと思うが、語り手が大勢登場した分、番組を通じて印象付けたいことの輪郭がぼやけているように感じた。

局側は

  • 2023年が関東大震災から100年ということから、この地方でも何か関連するテーマがないかと探していたところ木本事件を知り、ドキュメンタリー化するに至った。
  • 町民でこの事件を知らない人も多く、事件を隠していると印象づけたとすればよくなかった。また、知っているのに知らないと話す人もいたように思え、そのあたりを掘り下げて番組に反映できたらよかった。
  • 報道に携わる者としては、戦争を防ぐこと、その背景にある差別の状況を明らかにして過ちを繰り返さないことは非常に大きなテーマだと考えている。こうした骨太の企画にも引き続き取り組んでいきたい。

などと答えました。

(3)次回開催予定

開催日時:2024年9月10日(火)16時~