石神 愛子

PROFILE

石神愛子の あい ことば

おそれ

今月初め、御嶽山に登ってきました。
日頃の運動不足のせいでフラフラだったけれど、紅葉シーズンということもあり、別世界の美しさでした。


山頂近くの五の池小屋(鈴木しおりアナ、山田修作気象予報士とともに)


噴火口近くでは灰色の世界が広がっていました。
5年前の噴石の威力を物語る、へこんだ看板や崩れた灯篭…。
自然とは美しく、恐ろしい。
御嶽山の二つの顔を再確認したとともにだからこそ正しく畏れを抱いて向かうべき場所なのだと感じました。



人間の力ではどうしようもない、大いなる自然の力。

先日、台風19号の被害を受けた長野市に取材で訪れました。
目に飛び込んでくるのはニュースで四角く切り取られた画面よりとんでもなく広く泥で覆われた世界で、その泥が重く、雨が冷たく、夜が思っている以上に暗くて、崩れた土砂の痕は人知を超えた生き物が通ったような恐ろしさでした。
放送では一言しかご紹介出来なかった被災された方々もそのお一人お一人が、途方に暮れ、明日も分からない不安な24時間を過ごしている。

今この時間も被災された方々は不安と戦われている。

この惨さや恐ろしさ、被災された方々の悲しみをテレビサイズですべて表現することは到底無理な事だろうけれど、そのわずかでも伝える努力を怠らず、忘れる事なく、伝え続けなくてはいけないと感じました。

いつどこにいたって自然を正しくおそれ、準備することを肝に銘じて…

被災地の一刻も早い復興を心から祈ります。