名古屋テレビ 放送番組審議会だより

このページは「放送法」および「放送法施行規則」に基づき名古屋テレビ放送の放送番組審議会の議事の概要をお知らせするページです。
名古屋テレビ放送の放送番組審議会委員は8名で、会議は毎月1回、年間10回開催予定です。放送番組の内容をはじめ、放送に関する全般的な問題についてご意見を伺い、番組制作の参考にさせていただいております。
名古屋テレビ放送では、放送番組審議会でのご意見を、毎月第1日曜日の午前5時00分から放送する「メ~テレオンブズ」の中でもご紹介しています。どうぞご覧ください。

<2024年4月分>

第653回 名古屋テレビ放送番組審議会

開催日
2024年4月9日(火)
参加者
(敬称略)
  • 委員長:五藤義徳
  • 副委員長:村田陽子
  • 委員:神田真秋、早川直樹、原田正樹、小出麻緒、林 秀弥、浦上愛子

議事の概要

(1)業務報告

  • 社長挨拶
  • 2023年度 視聴率
  • 2024年4月改編情報

(2)審議テーマ

  • メ~テレドキュメント『いちがたっこ』(3月15日(金) 深夜1時34分~2時39分放送)
  • その他

委員の主な意見です。

  • あまり知られていないが目を背けてはいけない社会の実情について、ありのままの姿を映像として伝えることができていてよかった。放送は深夜1時半という遅い時間からだったが、どういう視聴者層を狙っているのかが気になった。
  • あらたに、医療的ケア児支援法の制定や文部科学省の医療的ケア実施支援資料についてなどの国の動き、あるいは名古屋市議会と東京都中野区の議会でのやり取りがより詳細に扱われたことで、前回の番組よりも社会問題としての論点がより明確かつ具体的であり、内容が濃密になった。
  • 医療的ケア児の所管が厚生労働省からこども家庭庁に移ったこともあり、おそらく省庁間の連携が十分でなく、現場の地方自治体で様々な課題が生じている。名古屋市と中野区については丁寧に取材できているが、背景にある本質をえぐるという意味では、中央省庁の問題に切り込んでもよかったのではないか。
  • 今回登場した1型糖尿病患者を約40年前に取材した際の映像が使用されていることに驚き、また、それが番組に深みを与えていると感じた。番組名の「いちがたっこ」は印象に残る言葉だが、知らない人には関心を呼び起こさないので、副題があるとよかったのではないか。
  • 子どもの患者や、大人になっても病気を抱えている人など、いろいろなケースの患者が登場したので、それぞれの、その時の感情、今の感情、そして未来の感情と、移り変っていく気持ちが理解できた。視聴していて涙が出たり、希望を感じたりと、感情を揺さぶられながらも結果的に前向きな思いが持てる構成でよかった。
  • 以前のテレメンタリー版「いちがたっこ」の番組審議で出された委員の意見が、今回の番組に概ね反映されていたと思う。メ~テレ社長は「委員の意見は参考にするだけでなく、番組制作や放送事業に必ず生かしていく」と話しているが、それをまさに実現していると感じた。
  • 全体としては、1型糖尿病について正しく、広く伝えたいという決意が伝わる優れた番組だった。父親同士のネットワークのエピソードは深掘りが足りない印象で、育児や処置への父親の関わり方というテーマも盛り込みたかったのだとすると中途半端だった。
  • 今回は、もう少し新たな論点に時間を割いてもよかったかもしれないと思った。例えば、病と向き合い、受け入れ、乗り越えつつも、それでも昇華しきれない深奥があるのではないか。その点を踏まえても「まわりの理解」が重要であることのさらなる深堀りがあるとよかった。

局側は

  • 1型糖尿病を突然発症して気持ちが沈んでいる当事者や家族に、明るく前向きな気持ちになってもらえるような構成を意識して番組制作を行った。
  • 「いちがたっこ」を多くの人に知ってもらいたいという当事者の気持ちを尊重して、あえて番組名に副題はつけず、「いちがたっこ」を前面に押し出す形とした。
  • 年度末に取材先の中野区の状況に動きがあり、早い段階で社内の関係部署と放送時間の調整にかかれなかったため、結果的に深夜での放送となってしまった。動画配信のLocipoやYouTubeで全編を配信しているのでこちらも周知していきたい。
  • 約40年前に取材した女性の患者の映像が局のアーカイブにあることがわかったが、当時は映像の詳しい資料を残していなかったため、本人を探しだすのには非常に苦労した。

などと答えました。

(3)次回開催予定

開催日時:2024年5月14日(火)16時~