名古屋テレビ 放送番組審議会だより

このページは「放送法」および「放送法施行規則」に基づき名古屋テレビ放送の放送番組審議会の議事の概要をお知らせするページです。
名古屋テレビ放送の放送番組審議会委員は8名で、会議は毎月1回、年間10回(8月と12月は休会)開催されます。放送番組の内容をはじめ、放送に関する全般的な問題についてご意見を伺い、番組制作の参考にさせていただいております。
名古屋テレビ放送では、放送番組審議会でのご意見を、毎月第1日曜日の午前5時00分から放送する「メ~テレオンブズ」の中でもご紹介しています。どうぞご覧ください。

<2014年6月分>

第555回 名古屋テレビ放送番組審議会

開催日
平成26年6月11日(水) 15:30~17:00
委員
  • 委員長:関口敦仁
  • 副委員長:諏訪哲史
  • 委員:岡本直之・広中和雄・片山俊介・町田健

議事の概要

(1)業務報告

  • 社長挨拶
  • プログレス賞について

(2)審議テーマ

  • 『池上彰と考える! 巨大自然災害から命を守れ』
  • その他

委員の主な意見です。

  • ローカル局の制作らしく地元に密着した防災情報が多く取り上げられており、身近に感じられる良く出来た番組だった。
  • 池上さんのわかりやすく密度の濃い解説に加えてテロップが実に効果的に使われており、要点が視聴者に伝わりやすい工夫が随所に見られた。
  • 想定される被害の甚大さをことさらに強調し危機感をあおるような番組構成ではなく、過去の巨大自然災害の歴史や地震予知の現状、ならびに国の方針転換等の事実を丁寧にかつ淡々と提示し、視聴者の意識や関心を日常的な備えへといざなってゆく手法は大変説得力があった。
  • 地震が発生するとなぜ津波の前に街の浸水が始まり、地盤の液状化現象が進むのか?について、小さな実験モデルだったがそれを用いてスタジオで説明したことは視聴者に良く理解されたのではないか。
  • 備蓄食料の食べる順序や調理方法については大変参考になった。また具体的な家族構成を想定して視聴者に一週間の備蓄食料を示したのは価値があった。
  • 覚王山の日泰寺に関東大震災の犠牲者の供養塔があるという事実と、地域の人々による当時の救援状況については、なかなか知られていない貴重な情報だった。
  • この番組のホームページで過去2回の番組の内容紹介や、今回の番組の各コーナーをVTRで復習できるようになっていた。これは大変良いことだ。
  • 番組の回数が進むにつれ地域に密着した地震の情報にシフトして来ているが、一方でプレート型と直下型の違い等について、棲み分けしながらの情報提供がされて来ていないのではないか。
  • 想定外のことは充分起こり得るので、視聴者に臨場感や緊迫感を持ってもらうような意図的な場面作りがあっても良かったのではないか。
  • コメンテーターのなかで石原良純さんだけが地元出身でないのは中途半端な感じがした。ご当地以外の人が出る意味があれば良かったのだが。
  • 「てんでんこのうた」については後世に伝えることの重要性とともに、当事者の心のケアの問題があることを提起したのは良かったが、児童心理学者や学識経験者のコメントや解説があればもっと良かった。
  • この地区で起きた地震の歴史の話をするのであれば、濃尾地震だけでなく、第二次大戦中に起きた三河地震のことも取り上げるべきではないか。
  • 災害のリアリティーを一次情報として直に受けた人と、離れた場所にいて二次情報として受けた人もいる。こういう番組の大切さは、時が経っても最初のリアリティーを提供してゆくことで、またその義務がある。こうした番組はぜひぜひ続けて欲しい。

局側は

  • この番組は池上彰さんを起用した防災特番の第3弾。第1弾と第2弾では地震や津波の基礎知識を扱ってきたこともあり、今回はこの地方にちなんだことを扱った。
  • 見た人に驚いてもらうのではなく、「回転備蓄」などそれぞれの家庭で出来る対策などを盛り込んで、見た人が問題意識を持ったうえで次の行動に移せるような番組の構成とした。
  • 「てんでんこのうた」が宮城県東松島市の小学校で結局歌われなかったを伝えられたのが、今回の番組で“肝”の部分だった。この問題を次につなげてゆきたい。また、尻切れトンボ的だったが、見た人が家庭で議論していただければ良いと考え、あえて“問題投げっぱなし”という手法を取った。
  • ご指摘いただいた三河地震については次回の番組制作の折に取り上げてゆきたい。

などと答えました。

(3)次回開催予定

次回の放送番組審議会は2014年7月9日(水)午後4時00分~
審議テーマ…メ~テレドキュメント『母の国へ ~馬瓜エブリン18歳~』