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イジューのススメ -Blog-

第1回

移住相談員に聞いた、イジュー!への第一歩の踏み出し方 (2017.4.25)

移住に興味を持ち始めたけど、実際に移住するってどういうことなの?何に気を付ければいいの!?
そんな素朴な疑問を解消し、イジュ―!生活に役立つ情報満載のコーナー「イジューのススメ」。

今回は東京・有楽町駅前東京交通会館8階にある、移住の情報提供や相談対応を行っているNPO法人「ふるさと回帰支援センター」相談員の染谷さんにお話を伺いました。

-ふるさと回帰支援センターは都道府県ごとにブースがあり相談員の方が在中していますね。どんな動機で移住の相談に来る方が多いのでしょうか?

染谷さん(以下、敬称略):たとえば子育て世代だと、今よりもいい子育て環境を求めて移住を考えている方。シニア世代の方だとのんびり暮らしたいと相談にいらっしゃる方が多いです。Uターンをして、地元で働きたいという方もいらっしゃいます。単身で移住したいという若い女性もいますね。本当にケースバイケースです。
ですが、皆さんに共通して感じるのは、何かしら今の暮らしを変えたいという気持ちがあるから移住を考えているのだということ。「都会が嫌だから」というようなマイナスなイメージではなく、「地方のほうが面白いんじゃないか」というプラスのイメージから相談にいらっしゃるケースも多くて、そういう方は地方で自分の力を活かしてみたいという思いを持っていますね。
このセンターでも、以前は、定年退職後「第二の人生」を求める方からのご相談が多かったのですが、一昨年あたりからは40歳代以下の、仕事が必要な世代の相談者が7割を占めるようになっています。

-移住に興味を持ったら、まず何からするべきでしょうか?

染谷:手前味噌になってしまいますが、このセンターに来てもらえたらと思います。情報が集まっている場所ですので。
移住を考え始めたら、まずどんな地域があるのか知ってもらうのがいいですね。このセンターで資料を見たり、相談をしたり、セミナーに参加したり…情報集めから始めて下さい。何をしたいかによっておすすめする地域も変わってきます。ご自身の中で何をしたいかを決めてもらって、それと並行して移住情報を調べてもらうといいと思います。
「この地域が良くて、絶対ここにいきたい!」と決めている方も、センターに来ていただければ、各県の相談員が、自治体の担当者や地元の方にお繋ぎすることができますよ。

-実際に現地に行くプログラムもあるのでしょうか?

染谷:市町村によっては移住お試し用の住宅を用意しているところがあります。一泊で利用できるものから、一週間単位で借りられるもの、最長で三年まで利用可能な施設などさまざまですが、どれも価格は一般の宿泊施設より安価に設定されています。そういったものを利用して少し長期で滞在し、その地域を見てもらうといいですね。
他にも体験ツアーがあります。これは観光ツアーと違って、スーパーや学校など、地元の人が生活していくうえで実際に関わっている場所を巡るプログラムになっています。地元の方との交流会をプログラムに含まれているツアーもありますので、そういったものに是非参加してみてください。移住する上で大切な、「人」の部分が移住する前に見えると、行く側も受け入れる側にとっても、お互いの安心につながります。

-移住するというと、地元の人との交流が大事だと聞きますが?

染谷:それが田舎暮らしの醍醐味だと思いますね。移住先を決めるときも、最後は人が決め手になると思うんです。そして移住後の生活が楽しいものになるかは、人間関係に因る部分も大きいと思います。そのため、地元の人たちと人間関係をきちんと結ぶということが、田舎暮らしのためには必要になります。
田舎は不便なので、都会だったら行政サービスとしてやってもらえることも、地域の人たちでやらなければいけないことが多くあります。森を自分たちで管理している地域もあるんですよ。移住するからには、協力してそういうことをやっていかなければならないですし、そこできちんと馴染める人というのが、その地域の人としてやっていける人なんだと感じます。

-生活していく上で必要なことといえばやはり仕事だと思いますが、移住先で仕事を探す道はどのようなものがあるのでしょうか?

染谷:移住に興味を持ったとき、仕事を含めたライフスタイルを自分の望むような形にしていきたい、と考える方が多いと思います。仕事の決め方としてはふたつあります。ひとつ目は、仕事ベースで「自分がこれをやりたい!」と思う仕事ができそうな地域を探していく方法。もうひとつは気に入っている地域を見つけて、そこにある自分にできそうな仕事を何でも頑張ってみるという方法です。
具体的な就職先を探す方法としては、県ごとの人材バンクシステムやハローワークなどですね。知名度のある民間企業の転職サイトでは、地方の求人登録数はまだまだ少ないのが現状です。センターには、移住の相談員とともに就職相談員も配置している県もありますので、気軽に相談に来てもらえればと思います。
また、移住を機に、就職以外の働き方を選ぶのもひとつだと思います。田舎には意外と、兼業している方も多いんですよ。総務省で行っている「地域おこし協力隊」という、最長三年間、市町村の臨時職員等になって地域の活性化に携わるような仕事をするプログラムもありますので、その三年の間に地域を知り、地元の方々とのパイプを作って、次の就職先を見つけたり、起業の準備をしている方もいます。

-移住した先でトラブルになりやすいことはありますか?

染谷:やはり、都会の人の常識と地元の人の常識の違いでしょうか。例えば草刈りに参加するか参加しないか、ということでも、任意だと聞いて移住者が参加しなかった場合に、地元の人は悪い印象を持ってしまったり。どちらが悪いと言うことではなく、お互いの感覚の違いですれ違ってしまうことは起こりうることです。鍵を掛けないのが当たり前という地域があったりもしますから、都会の人からするとびっくりしますよね。
あとは、トラブルとは少し異なるかもしれませんが、移住するときに家が見つからないという話もよく聞きますね。空き家がたくさんあるというニュースも流れていますが、いざ住もうと思って探してみると、家が見つからない。それは見知らぬ人に貸したくないという心情によるものもあるんですね。その問題を解決するために自治体でいろいろ試行錯誤しているようですが、そういった、「知らない人だからちょっと・・・」という地元の方の意識を変えるには、やっぱり地元の方々と知り合いになって、「あなただったら貸すよ!」と言ってもらえる関係になっておくのが一番手っ取り早いですね。今家は使っていなくても、仏壇があり、先祖代々の仏様がそこにいるという意識があって、簡単にそれを動かすと先祖に申し訳ないと思う方もいらっしゃるようですよ。

-都会に住んでいるとそういう意識ってなくなってしまいがちですよね

染谷:そうですね。でも田舎では、そういう考えを初め、今も受け継がれている伝統や習慣がたくさんあります。移住する方からすれば、カルチャーショックのようなものもあると思いますし、なるべくそのあたりも情報を得て、心構えをしてから移住できるといいですね。わたしたち相談員も、ないものはないと伝えて、移住後のギャップを少なくできるよう努めています。
しかし、わたしたちも地元の慣習すべてを把握しているわけではないので、移住する人と、現地住民の人との橋渡しをうまくできる存在がいると心強いですね。それは個人ベースでもいいし、NPOのような受け入れ団体でもいいです。移住した人から「近所の人からおすそ分けをもらったけどお返しの仕方がわからない。しかし相談先がない」と言って電話を受けたこともありますが、本当に日々のちょっとしたことで、地元の人にとっては当たり前のことでも、移住者にとってはわからなくないこともたくさんあるんですよね。そういうときに相談できる相手がどこかにいるという、ソフト面での受け入れ体制ができていることがとても大切だと思います。

-最後に、相談員として移住を考える皆さんへ伝えたいポイントはなんでしょうか

染谷:移住するにあたって本当に大切なのは、自分の中できちんと覚悟を持つということ。自分が何のためにそこにいきたいかと言うことをはっきりさせること。移住しても、いいことばかりはあり得ません。だから、何かが起きたときに、「自分はこのために来たんだから頑張ろう」と思えるようなものを持っておいてください。
移住を気軽に考えている方もいますが、生活の拠点を移し、新たな仕事を始め、一から人間関係を築いていくのは本当に大変なことです。たまに、「覚悟」ほどのものはなく、縁のできた地域に移住してうまくなじんでいる方もいますので一概には言えませんが。ただ、そういう人たちに共通しているのは、「郷に入れば郷に従え」ということが自然とできる柔軟性があるということです。与えられたサービスの中で生きるのではなく、自分で暮らしを作り上げたいと思う方は、きっと楽しめると思いますよ!

お話を伺った方
染谷妃沙乃さん
認定NPO法人ふるさと回帰支援センター 相談員
〒100-0006 東京都千代田区有楽町2−10−1 東京交通会館8階
http://www.furusatokaiki.net/

※同じNPO法人が運営している情報センターは大阪にもあります
大阪ふるさと暮らし情報センター
〒540-0029 大阪府大阪市中央区本町橋2-31 シティプラザ大阪内1F
http://www.osaka-furusato.com/

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