研究コーナー/スポーツにまつわる伝説や言い伝え、些細な疑問までを徹底検証します。

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ピッチャーライナー

2007/09/08放送

今シーズン目立つプレーのひとつピッチャーライナー。

試合前のピッチャーの練習では必ずといっていいほど至近距離でのノックが行われる。これは、ピッチャー返しに反応するための練習だが、それでもライナーの直撃を受けることがある。なぜなのか?

「自分が投げて打ち返されるボールはものすごく速いんですよ。キタッと思ったら当たってしまうんで反応できないですよ。」5月にピッチャーライナーの直撃を受けた中日ドラゴンズ朝倉投手の証言である。

「反応できないほど速い」と言うピッチャーライナー。そこで朝倉投手の当たった打球のスピードを取材した映像を基に中京大学の桜井教授に調べてもらった。

その結果、打球のスピードはナント時速およそ194キロ。投げたボールより、はるかに速いことが分かった。では当たったときの衝撃力はどれほどなのか?

そこで実験を試みた。ピッチングマシンのスピードを時速160キロに設定し(これ以上だとボールの軌道が安定しなかったため)厚さ3ミリの板で作った伊集院所長のパネルに硬球をぶつけてみる。パネルはどうなるのか。緊張感が走る中、マシンから放たれたボールは軽々とパネルを突き破り球場の外野フェンスにまで到達した。恐るべき破壊力。プロ野球のピッチャーはこんな危険と戦っているのだ。

「体の辺りにきたら当たってでもアウトになればと…。とにかく止めにいってますね。怖いけど仕方がないですよ。」これが朝倉投手のピッチャーライナーの対処法だそうだ。

スタジオでは普段草野球でピッチャーをしている伊集院所長用にバレーボールを使ってピッチャーライナーを再現。体に何度もボールを当てながらピッチャーライナーを体感した所長の感想は…
「やっぱりプロのピッチャーはすごい」