研究コーナー
スポーツにまつわる伝説や言い伝え、些細な疑問までを徹底検証します。
ファイルナンバー

054

バット

2005/04/30放送


プロ野球選手はそれぞれ、他の選手とは形や重さの違う自分専用のバットを持っている。それはいったい何故なのか。バットに隠された秘密とは・・・

まずは富山県にあるバット工場を取材。
バットの製造工程を簡単に説明すると
(1) 選別
素材となる角材の良し悪しを判断する。職人の経験が最も生かされるところ
(2) 粗挽き
バットの表面を大きく削り水分を抜けやすくする。
(3) 乾燥
保管質の室内を40度から50度にして約4週間乾燥する。
(4) 木どり
中間仕上げ。同じ形に削ったにもかかわらず木によって重さが違うため
ここで選手の注文に合うものを選び、誰のバットにするか判断する。
(5) 仕上げ
この工場ではプロ仕様のものは最初にデータを起こしコンピュータ制御の旋盤で仕上げる。
あとは塗装をしたら出来上がり。

バット造りで一番苦労するのは、木は一本一本違うのでその素材を見極めるのが難しいとの事。
バット一本造るのには大変な技術と手間がかかっているのだ。

そんな中でバットの一番の特徴といえば、「ボールを遠くに飛ばす」こと。
どんなバットが飛ぶのか。
実は初代ミスタータイガース藤村富美男はバットをそれまで使っていた物より3インチおよそ7.5センチ長い 「物干し竿」と呼ばれる物にするとそれまで毎年一桁だったホームランが2年後には46本へ増えた。

そこで元中日ドラゴンズ川又さんに協力してもらい前代未聞の大実験。
いろいろな長さのバットを用意し実際にボールを打ってみた。
31インチ、プロでは一般的な34インチ、そして「伝説の物干し竿」37インチのバット。

結果は一番長い「物干し竿バット」が一番飛んだ。
やはり長いほうがボールは飛ぶのか。

そこで何とルール上で許される一番長いバット42インチ(およそ1メートル6センチ)で再び実験。
果たして結果は・・・。
何と物干し竿を超えこのバットが一番遠くまで飛んだ。やはりバットは長いほうが飛ぶ。
しかしこの時、別の結果も出た。
一番飛ばなかったのもこのバットだったのだ。ちなみに川又さん曰く「当たれば飛ぶけど確率めちゃめちゃ低いよね」
まとめ

バットは長いほうが飛ぶ。でも当たらない。



次回予告

今週は『低酸素トレーニング』を大研究。
アスリート達が行う『高地トレーニング』その効果はいかに?

backnumber