アスリートドキュメント
スポーツの素晴らしさは夢に向かって挑戦しつづけるアスリートの素晴らしさ 密着取材でアスリートの真実の姿を描き出します
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中日ドラゴンズ・井端弘和

2005/09/17放送

~理想の打撃~

今シーズンも熾烈な優勝争いを繰り広げる中日ドラゴンズ。
その中で攻守に欠かせない存在となっているのが井端弘和である。
しかし今、そんな井端に大きな変化が起きている。
去年、井端は「打率.302 打点57 本塁打6」というプロ生活で最高ともいえる打撃成績を残した。
ところが今年、15試合以上を残した現在、そのほぼ全ての記録をあっさり塗り替えようとしている。
成績が急激にアップした秘密とはいったい何なのか。


実は井端は今、追い求めていた理想のバッティングをつかもうとしているのだ。 「ちょっと詰まったり、バットの先だったりした時にヒットになる打ち方が理想ですよね」 会心とはいえない詰まった打球がヒットになるバッティング。
実はかつて同じような打ち方で3年連続で首位打者になった選手がいる。 1992年から97年までドラゴンズに在籍したアロンゾ・パウエルだ。
野球解説者の川又米利さんによるとパウエルのバッティングは詰まってもバットの角度がちょうど1・2塁間に向いていたため打球がライトへ抜けヒットになる事が多かったという。井端が追い求めているバッティングはまさにその形なのだ。
「ハタから見たら飛んだ所が良かったとか見えるけど、野手のいない所に落とせるということはバットの出し方がいいと自分では判断してる。」
バットの角度をコントロールすることで打球は測ったように野手のいないヒットゾーンへ飛ぶ。追い求めた理想のバッティングをつかんだからこそ、現在、井端はリーグトップクラスの打撃成績を残せているのだ。
そんな井端の可能性について川又さんは次のように断言した。
「近い将来、首位打者も夢じゃない」
理想のバッティングをつかみ井端はまた進化を遂げた。

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