アスリートドキュメント

スポーツの素晴らしさは夢に向かって挑戦しつづけるアスリートの素晴らしさ。密着取材でアスリートの真実の姿を描き出します。

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FC岐阜 片桐淳至

2008/05/24放送

今年J2に参入したFC岐阜。現在15節を終え8位。J初参戦ながら健闘を見せている。注目すべきは攻撃力。23得点は首位広島に次いで2位の決定力を誇っている。その攻撃陣の中心となっているのが「片桐淳至」。最大の武器はドリブル。巧みな足技でDFを翻弄する。東海リーグ、JFL時代はエースとして得点を重ねてきた。

片桐はFC岐阜の本拠地である岐阜出身。生粋のストライカーだった片桐は岐阜工業時代、高校サッカー選手権で得点王を獲得。チームを準優勝へと導いた。その活躍が注目され、2002年。J1である名古屋グランパスへ入団。そこでも得意のドリブルから、ひたすらゴールを狙った。その後、単身アルゼンチンへ渡り、武者修行。ゴールを奪うことだけを考え、ガムシャラのサッカー人生を送った。

そんな片桐はJに上がった今シーズン、ある変化を見せている。「昔みたいに、一人っていうか強引に持っていくのが売りだった自分から、それが通用しないっていうのが分かるので自分でも。そこはチームで戦って自分で打開できなかった時の逃げ道として、最後に点を取らせれるみたいな」片桐の持ち味であるドリブルからチャンスを作り、決定的なラストパスを出す。プレーの幅を広げることで決定機を演出していた。

今シーズン、3得点に対し積み上げたアシストの数はJ2トップとなる8。片桐のこの変化こそがチーム躍進の原動力となっていた。そんな片桐の変化の裏には森山の存在があった。森山は片桐についてこう語った。「(片桐は)献身的になってきたというか、自分自分というよりも点を取らせてあげようとかそういうのがでてきたかもしれない。俺が変わらせんじゃなくて、成長したんじゃないですか。僕はスパイスみたいなもの。」

大きく成長を遂げた片桐は、今後の目標をこう語った。「岐阜に戻ってきてからの目標はJ1にいくっていうのが目標です。たとえそれが無理だったとしても、そこまでいける努力をずっと惜しみなくしたいと思います。」

目指すJ1への道のりは長く険しい。だからこそ片桐は、進化し続け、そして挑み続ける。


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