放送内容

2017年12月01日(金)放送

名古屋グランパス田口泰士 ~388日~

カテゴリー:野球

歓喜に包まれた、聖地・瑞穂。
劇的な逆転勝利を飾った、J1昇格プレーオフ準決勝。
その一戦に、誰よりも特別な想いを抱いていた、田口泰士。
「みんなはプレーオフ準決勝という風に臨んでいると思いますけど、僕自身はなんか色々振り返ったりとか思い返したり…。

プロ入り後、初めてキャプテンを任され挑んだ昨シーズン。
それは田口にとって、苦難の幕開けでもあった。
グランパスは下位に低迷し、クラブワースト記録となる18戦未勝利。
その責任を、田口は一身に背負っていた。

「苦しかったですね。結果が出なかったっていうのもありますし」

結果が出ない苦しみ。
オリジナル10として、リーグ開幕から続いてきたJ1での歴史は、瑞穂での戦いを最後に24年で幕を下ろした。

味わった、J2降格という現実。
それでもグランパスに残ることを決意し、どん底から這い上がってきた。

「悔しさというのは間違いなく自分の力になっていると思いますし、ファン・サポーターの為にも、闘うと決めた1年なので」

風間新監督を迎え、J2で再出発を図ったグランパス。
さらなる成長を目指した今シーズンだったが、沖縄キャンプの練習試合で左ヒザを負傷。新チーム始動直後の戦線離脱だった。

出遅れること1カ月半、開幕7戦目にしてようやく田口がピッチに帰ってきた。
田口の絶妙なパスからゴールが生まれ、チームは勝利。見事、復帰戦を白星で飾った。
その後は出場停止を除く、全試合にスタメン出場。
プロ初のハットトリックを記録するなど、1年でのJ1復帰へ背番号7が躍動する。

熾烈を極めるJ1昇格争い。グランパスは福岡を勝点1差で上回り、リーグ戦を3位で終えた。
最後の1枠を巡り、4チームによって争われるJ1昇格プレーオフ。
相手は7連勝でプレーオフ進出を決め、勢いに乗る千葉。今シーズン唯一得点を奪えず、2敗を喫している難敵。

J2降格の屈辱を味わった瑞穂で迎える、運命の大一番。

1点を追う後半16分。
ゴールを決めた田口が真っ先に向かったのは…、共にJ2降格を味わった楢﨑の所だった。

「去年苦しい想いしているし。楢さんが最初に目に入ってきたので、そこ目がけて走っていきました」

悲しみに暮れたあの日から、388日。
聖地・瑞穂が、歓喜に包まれた。
サポーターに誓った、J1復帰。
今こそ、その集大成を示す時。

「色々と言うよりは、本当にラスト1試合で結果だと思っているので。どんなサッカーしても良いと思っていますし。必ず結果出したいと思います」