放送内容

2016年10月23日(日)放送

ギネス認定スケーター 宇野昌磨の成長記

カテゴリー:野球

いよいよ幕を開けたフィギュアスケートグランプリシリーズ。
開幕戦のアメリカ大会。
男子では、
ギネスに認定されたジャンプを持つ18歳、
中京大学1年・宇野昌磨が出場。

今年、正月
地元愛知、期待のスケーターが
新年の抱負として掲げたのは・・・
「4回転2種類を試合で成功させる」
4回転ジャンプの中で、
一番得点の低い
トウループしか持ち合わせていなかった宇野。
羽生結弦をはじめ
2種類以上を跳ぶトップスケーターたちに、
遅れをとっていた。
ところが、今年4月。
なんと、誰も決めたことがない大技
4回転フリップを成功!
世界を驚かせた。
「新しいことを挑戦して楽しいなって思えたら良いなって思い
練習した結果
まさか跳べるとは思わなかったです」
ギネスにも認定された新技、
実は初めて跳べたことに特別意識はない。
「4回転でも周りを見ているとあの人が跳んだからやってみよう
やっぱできたって感じが多いのでどんどん種類が増えるかなと思うので」
さらに、羽生結弦が先日世界で初めて決めた
4回転ループも練習。
今シーズン中に、3種類目の成功も視野に入れている。

手をつかずに側転が出来るほどの
身体能力を持つ18歳。
もともとは、
ジャンプが大の苦手だった。


「夢がオリンピックに出ることなんですけど早く出たい」(当時11歳)
スポーツ大好き少年が
スケートに出会ったのは5歳の頃。
きっかけは、あの浅田真央だった。
「浅田真央ちゃんが一緒に遊んでくれて楽しかったから
また何回も行っているうちにもっと楽しくなって
スケートを始めてみようって」
すでに世界一となっていたスケーターの後ろで
基礎を磨くと・・・
憧れの存在、髙橋大輔の影響を受け、
類まれな表現力を身につけた。
すると、高校生も出場するジュニアの日本一を決める大会で
小学生ながら3位。
表彰台の隣にいた羽生とともに
ニッポン期待の逸材と目される。
ところがその後、
大きな壁にぶち当たった。

5年前の正月、
中学1年の時に掲げた目標。
「今年中にトリプルアクセルを跳べるように頑張りたい」
しかし、なかなかものにできず。
ひたすら反復練習をし続けた。

ようやく努力が実を結んだのは
つい2シーズン前。
実に、4年の歳月を費やした。
以来、著しい成長を遂げ
いまや2種類の4回転ジャンプも習得!
弱点はいつしか、強みに変わっていった。

シニア2年目となる今シーズン。
テーマは“攻める”
「昨年に続き攻め続けたいという気持ちでこの目標にしました」
シニア本格参戦の昨シーズン、
攻めの姿勢を貫き快進撃を見せた。
男子史上初の快挙!
デビューイヤーにして
ファイナルのメダルを手にした。
「攻めた姿勢で試合に挑めたこと
強気にいくことができたんで成功につながったので」

一方、課題も見つかった。
シニアに上がり
30秒長くなったフリー。
攻めの姿勢は、まさに「もろ刃の剣」。
スタミナ不足を露呈した。

今年の夏。宇野がいたのはアメリカ・シカゴ。
どこが筋肉痛かわからないくらい体中が筋肉痛。
課題克服のため、初めて海外で武者修行。
これまでにない多岐に渡るメニューをこなし
体をとことんいじめ抜いていく。
「トレーニングきついです。まだ2日目ですよ!」
リンクの上でもハードなトレーニングが待っていた。
こんな辛い日々が、およそ3週間も続いた。
「自分が苦手としていることを少しずつ2年前から埋めてきていて
シーズンオフも体力強化を頑張ってきたので
だいぶ去年のような試合で体力が心配ってことはないですね」

先月、イタリアで迎えたシーズン初戦ロンバルディア杯。
前日練習では、
世界初の大技・4回転フリップを入念にチェックしていた。
「まずは100%の力でぶつかっていって結果を見たいなと思います」

この試合は4回転フリップはもちろん
スタミナ面を試す場でもあった。
夏の成果が問われるフリー。
大技を初めて2本入れる
攻めのプログラムで挑んだ。

まずは、1本目の4回転フリップ。
バランスを崩すと・・・
経験のために入れた2本目も失敗。
それでも、
難しいプログラムでより体力を消耗する中、
最後まで攻めの姿勢を貫いた。
体力面の不安を感じさせず
笑顔で演技を終えた宇野。
見事シーズン初戦を優勝で飾り、
グランプリシリーズに向け手応えを掴んだ。

「体力の不安がないって一つ不安がないだけでも
いろんなことに挑戦できるかなと思いますし、
一番(の課題)はフリップかなと思います」

海外での生活が増えた今、
しみじみ感じること。
「日本ってめっちゃ充実してません?
すぐそこにコンビニでも何でも売ってますし」
異国での暮らしは、少々苦手。
ホットミルクを飲む宇野。
実際にオーダーしたのは、ホットミルク“ティー”。
「英語本当に必要だなっていい加減思ってきています」
ステップアップをし続ける今、
海外スケーターとのコミュニケーションも
一つの課題としている。

世界を駆けまわる18歳が、
再び海外に向かった先は
グランプリシリーズ開幕戦の舞台アメリカ。
「優勝を目指して思い切り全力でぶつかっていって
自分の良い演技をしたら順位もついてくるんじゃないかということを信じて
頑張りたいと思います」
迎えたショートプログラム。
冒頭は、世界初の大技4回転フリップ。
実況)4回転フリップ!決めてきました!!
今シーズン
ショートで初めて成功させる。
続く4回転トウループからの
連続ジャンプは転倒するも、
人生で最も習得に苦しんだトリプルアクセルは
なんとか踏ん張る。
実況)18歳宇野昌磨、果敢に挑んでいきました。
攻めのプログラムでショートトップに立ち、
まもなく開かれるフリーに挑む。
「4回転フリップはなんとか着氷しましたけど
2個目の失敗が本当に悔しくて
もう一回やりたいって本当に悔しい思いが久々にこみあげていて
でもフリーで挽回できれば良いと思うのでどう改善するかが
大事になってくるかなと思います」