放送内容

2014年03月23日(日)放送

中日ドラゴンズ 大島洋平~復活を超えた進化へ~

カテゴリー:野球

開幕を10日後に控えた3月18日のオリックス戦。
リードオフマンがグラウンドで躍動した。
男の名は大島洋平。

「復活というか、前よりもやっぱりレベルアップして
戻りたいですね。」

プロ5年目となる今シーズン、
大島が目指すものとは・・・。

「去年ですか、もう本当に悔しいというか、
自分で思うような結果が出ず・・・。
ただ悔しいというだけですね。」

去年は大島にとって最悪のシーズンだった。
初めて打率3割を超えて大ブレイクを果たした
おととしと比べて成績は軒並みダウン。
違和感を訴えた左ヒジも10月に手術を行い、
秋のキャンプは完全に別メニュー。
何も思い通りにはならなかった。

1月下旬、沖縄。
自主トレ中の大島は1人黙々とバットを振り込んでいた。
さらにその場に居残って、素振りを始めた。
大島にとって特別な練習。

「早振りですか。続けています。
自分で良かったと思ったから、ずっと続けているんですけど。」

連続で素振りを繰り返す、『早振り』。
大島はおととし、春のキャンプで全体メニューが終わった後も
連日、早振りを行い大ブレイクにつなげた。
その練習を今年も続けていたのだ。

いよいよキャンプが始まった。
大島はプロ入り以来、初めての2軍スタート。
連日厳しい練習が行われた。
そんな中で、大島にとって大きな出会いがあった。

「バッティングは監督と色々と話しながらやって・・・。」

キャンプで佐伯2軍監督とマンツーマンで
バッティングフォームの改造に取り組んだ。
特に意識したのは下半身の使い方。

「下の使い方、左足を回すんじゃなくて
前にぶつけていく感じですね。
回すとどうしても左足が外側から回ってしまうので
バットも一緒に外から回るから
内側からこう、ぶつけるような感じで回していくと
自然とバットも内側から出る。」

軸足となる左足を右足にぶつけるイメージで動かすことで
バットが遠回りしないようにする。
今年、成績を残すために始めた新しい取り組み。
その結果、変えたことがある。

「早振りという早振りは今はやっていないですね。
どうしても体が前に前に突っ込みがちになってしまうので
ちょっと1回やめようと思って。」

ブレイクのきっかけとなった『早振り』を封印するという
自らのスタイルを変えて
バッティングフォームを見つめなおした。

3月12日。左ヒジの張りの影響で遅れていた
一軍への合流を果たした。
3回に迎えた第2打席。
この日2安打を放ち、確信を得た。

「佐伯監督とずっとキャンプ中からずっとやってきたことが
しっかり出来たかなと思います。」

そして18日のオリックス戦で大島が改めてリードオフマンとして
その存在の大きさを示した。
バッティングでは第1打席からヒットを重ね3安打。
さらに2盗塁、2得点。
新たなフォームで見事な結果を残した。

去年のような悔しい思いは繰り返さない。
自らのスタイルを変え、つかんだ手応え。

「復活というか、前よりもやっぱりレベルアップして
戻りたいですね。
そうすれば勝手に復活とかになるとは思うんですけど
2年前の成績は超えたいですね。」

目指すのは復活ではない。
レベルアップし、進化した姿。
リードオフマンの逆襲が
今、まさに始まろうとしている。