放送内容

2014年01月26日(日)放送

フィギュアスケート愛知3人娘 ソチ五輪への思い

カテゴリー:野球

いよいよ迎えたソチ五輪イヤー。3大会連続のメダル獲得へ期待がかかるフィギュアスケート。
それぞれの思いを胸に、愛知出身の3選手がソチの舞台へ。


浅田真央 ~「バンクーバーよりも良い演技を!!」~

「バンクーバー五輪で演技を終えたときに、自分のミスがすごく悔しくて、それを晴らすにはやっぱり五輪しかない」
2大会連続のオリンピック出場を決めた、浅田真央。4年前のバンクーバーで味わった悔しさこそ、彼女の原動力だった。
2010年のバンクーバー五輪、当時19歳の浅田は、女子で史上初となる、ショートで1本、フリーで2本の合計3本トリプルアクセルを成功させる。ところが、フリーの演技後半で2つのミス。
「あっという間に終わってしまいました。ミスがあったので全然納得していないです」

4年先のソチで完璧な演技を目指し、全ての技術をイチから見直し始めた浅田。3年間、地道な努力を積み重ね、23歳で迎えた2度目の五輪シーズン。ジャンプは安定感を増し、ステップでは最高の評価。自己最高得点も4年ぶりに更新するなど、圧倒的な強さで開幕3連勝を飾る。それでも、浅田は現状に決して満足しない。
「ソチ五輪までに自分が目指しているものを出来るようにすることが今一番の目標」
浅田が目指す理想の演技へ譲れないもの、それは、代名詞「トリプルアクセル」。バンクーバーで披露した、ショートで1本、フリーで2本のトリプルアクセル。浅田にしかできないプログラムを追い求め、シーズン開幕から、大技を何度も何度も跳び続けてきた。すべては、ソチで最高の演技を披露するために。
「やり切ったって思えるような、悔しい気持ちじゃない気持ちで終わりたいです。一番良い色のメダルを持って帰って来れれば、一番嬉しいことだと思います」


村上佳菜子 ~「先生によろこんでもらえる演技をする」~

「先生に喜んでもらえる演技をすれば、そのときに出来るすべてのものを出せたときかなと思うので、それが出来れば自分も満足できると思います」
初めての五輪代表に決まった、19歳の村上佳菜子。初めての五輪シーズンを前に、恩師・山田満知子コーチへ手紙をしたためた。
「小さなころからずっと先生のそばでスケートをしてきて、いっぱい、いーっぱい、悪いことや迷惑をかけてきました。先生はそんな佳菜を見捨てないでくれて、ずっと一緒に頑張ってくれて、感謝の気持ちもいっぱいです。今年は一番大事なシーズンです。今まで以上に迷惑を���けると思いますが、よろしくお願いします」

迎えた五輪シーズン、待ち受けていたのは、「試練」。五輪前哨戦のグランプリシリーズでは、ショートプログラムでまさかの最下位。その後の試合でも、本来の調子とは程遠い内容。
「五輪シーズンがこんなに苦しいんだとすごく実感しています。どうしていけばいいんだろうって、わからないです」
自分を見失いかけていた愛弟子の姿に、山田コーチは「ショートの曲変更」を決断。五輪最終選考まで、1ヶ月を切っていた。
ソチへの切符がかかった、全日本選手権。曲の変更から僅か3週間、不安と重圧で押しつぶされそうになる中、村上はジャンプを次々と決めていく。演技後、あふれ出した大粒の涙が、全てを物語っていた。崖っぷちから代表入りを果たした村上。恩師への感謝を胸に、初の五輪へ。
「(山田コーチへ)感謝の気持ちがたくさんすぎて、あふれ出しそうです。自信を持って、今回の演技をもっと上回るような素晴らしい演技ができるようにしたいなと思います」


鈴木明子 ~「最高の演技をする!」~

2度目の五輪代表を決めた、28歳の鈴木明子。現役ラストシーズンに選んだ曲は、「愛の讃歌」。
「(振付師から)明子のスケート人生を、2分50秒に描きなさいと言われていて、それは楽しいことばかりではなくて、辛かったことや苦しかったことを含めて、これが私の人生ですっていうプログラム」
スケートを始めた頃の楽しさ、スケートが出来ずに苦しんだ日々、バンクーバーで味わった最高の喜び。22年にも及ぶ、自らのスケート人生をリンクの上で表現する。
「やっぱり今の自分だからこそ滑れる曲だと思いますし、ここまでやってきたから出来る曲なんだな、表現できることでもあるんだなって思う」
先月の全日本選手権。13回目の挑戦、そして最後の全日本で、初めての優勝に輝いた鈴木。表彰式が終わり、花束を手に駆け寄ったのは、母・ケイ子さんのもと。大会前、ジャンプが跳べず、不調に陥っていた鈴木。そんな娘の窮地を救ったのが、母の言葉だった。
「母から『あと少しの競技生活ほんとにつらかったらお母さんのために滑って』と言われたときに、『お母さんのためなら頑張れる』って、その一言で自分を前に向かせてくれるきっかけになったので、すごく感謝しています」
2度目の大舞台に立たせてくれた最愛の母へ、感謝の思いを届ける。
「最後に笑顔で終わっているのが両親の一番の望みだと思うので、最後に感謝の気持ちを込めて、自分のスケートが出来たらいいかなと思います」

小さな頃から、愛知のリンクで汗を流し、世界を目指してきた3人。ライバルでありながら、互いに高め合い、支え合ってきた大切な仲間。固い絆で結ばれた3人が、ソチで最高の輝きを放つ。