放送内容

2013年12月22日(日)放送

ソチ行きを巡るサバイバルに密着~ショートトラック~

カテゴリー:野球

常に危険と隣り合わせ!!
『ショートトラック スピードスケート』
1周111.12mのリンクが舞台。
4人以上が同時に滑り着順を競う。
ソチ行きをかけたサバイバルには、
リンクをも溶かす熱きドラマが!!
逆境から這い上がりオリンピック出場を目指す
2人のスケーターに密着した!!


女子ショートトラック界の第一人者
地元トヨタ自動車の伊藤亜由子。
バンクーバーで
オリンピック初出場を果たした彼女。
結果は予選敗退、ただ出るだけの大会に終わった。
伊藤)
「悔しいっていうのが最初に出てきて、すぐに4年後を考えました。」
スピードとスタミナを併せ持つオールラウンダー。
世界に通用するスケーターへと成長するため
自分の滑りを磨いた。
すると、全日本選手権では、
2年連続で総合優勝!
3月の世界選手権では、リレーで銅メダル!
世界と戦える力を着実につけていった。
伊藤)
「もうオリンピックには出ているので、
次は本当にメダルを取りたいという気持ちで過ごしている。」

9月、ソチへの代表選考が始まった。
オリンピックで行われるのは
個人3種目とリレーの計4種目。
選考レースは、
9月の距離別選手権と、12月の代表選考会の2つ。
2大会の合計ポイントによって代表が決まる。

ソチに行くためには
安定した成績を収め続けなければならない。
伊藤は最初の種目で、いきなり実力を見せつける。

ゴールの瞬間、両手でガッツポーズ!
初戦で優勝を飾った彼女は
その後も順当にポイントを重ねていく

迎えた最終種目。
ここでもトップを争う伊藤。

しかし、
着順競技ゆえに
最後までなにが起こるか分からない。

ラスト3周、伊藤が仕掛けた!
(しかし転倒)
歩くことすらできなかった。

『左腰ねんざ』
幸い大事には至らずリンクに戻ってきた伊藤。
しかし・・・。
最終選考を1ヵ月半後に控えた10月末。
練習中に『右ひじを脱臼』。
ショートトラックの選手にとって腕は、
車で言うアクセルのような存在。
まさに致命傷だった。

伊藤)
「今までスケートをやってきた中で一番痛かったです。
全く動く気配がなかったので腕が、やっぱ12月の大会大丈夫かなって、
選ばれないとオリンピックにも行けないので試合の心配は
すごいしました」

最終選考会まで2週間。
伊藤はリンクの上にいた。
まだ右腕を振ることができない。
練習不足で体力も足りない。
それでも、今できるメニューをこなし決戦に備える。

伊藤)
「手を振らないことで今までぶれていた体幹の部分が整ったりとか
すごい充実して練習できていて自分の精神的な状態も
良い感じなんで手を振れるようになったら
もうちょっと良くなるかなという感じ、
感じとしては今のところ順調です」


一方、9月の大会で再起を遂げた男がいた。
トヨタ自動車の坂下里士。
実に5年ぶりの優勝、この喜びの裏にはある想いがあった。
日本屈指のスプリンター・24歳の彼は
10代の頃から活躍。
将来を期待されていた。

しかし、前回のバンクーバーオリンピックの切符を逃し、
去年の開幕戦では右足首を骨折。
7針を縫う手術をした。
入院は2ヶ月。

坂下)
「完治はそのシーズンかかったんで結構しんどかったですね」

折れそうな心。
それを救ったのは、周りの支えだった。

坂下)
「家族だったりいとこのおばちゃんだったりみんな
(お見舞いに)来てくれて
こういう人たちのために頑張ってるんだよなっと
確認できた期間って気持ちがあるんで
まだやることはある 諦めるのは早いし
これを言い訳にして負けるのはダサいって」

“支えてくれる人に結果で恩返しがしたい!”
スピードにパワーを兼ね備える坂下は、
500mに絞って練習。
得意の短距離で初のオリンピックを狙っていた。

坂下)
「心配かけた分とか期待してもらった分、
応えられるのは(五輪の)メダルしかないと思うんで
メダルは必須ですね」

そして迎えた最終選考会。
この戦いで代表が決する!
日本のオリンピック出場枠は、女子が5つ。
男子は3枠をかけて争われる。

4年前、あと一歩届かなかった舞台へ!
坂下が挑む500m決勝。
鍛え上げてきたロケットスタート。
バランスを崩すが、先頭に立つ。
500mの切符はたったの1枚。

見事優勝。
悲願のオリンピック出場切符を掴み取った。

坂下)
「オリンピックで金メダルってところの
スタートラインに立てたことが率直にうれしいです。
勝って喜んでくれてる人がいるのが自分の誇りであったり
支えになっていると思うんで
それがあっての今(五輪出場)だと思います」


一方、度重なるアクシデントに見舞われながら
最終選考に挑む伊藤。
ケガの右腕をかばいながらも、
着実にポイントを稼いでいく。

そして1500m決勝。
総合5位以下の選手に勝てば
オリンピック出場が決まる。
13周半の長丁場。
スタミナが心配される中、
総合トップの選手に次ぐ2位につける。
背後から迫る相手を警戒しながらラスト1周。
限界が近づく右腕を振り続ける・

伊藤は2位でフィニッシュ!!
オリンピック出場を確実にした。
万全ではない状態の中、
全ての試合で決勝に進出。
全種目で代表の座を勝ち取った!!

伊藤)
「正直この状態でこれだけ滑れたら十分かなというのはあります。
絶対に(五輪の)メダルを取れると思っているので
その気持ちをすごい大事にしてこれからも取り組んでいきたい
年明けたらケガなく良い運気がくると思うんで(笑)」

ソチオリンピックの日本代表、8人が決定!!
女子では、清水小百合が総合3位で初出場。
男子は、総合トップの髙御堂雄三が代表の座を射止めた。

ショートトラック界、16年ぶりのメダルへ!
彼らの挑戦は続く・・・。