放送内容

2013年04月28日(日)放送

フィギュアスケート村上佳菜子 山田満知子コーチと共に歩む競技人生

カテゴリー:野球

フィギュアスケート村上佳菜子。

3月の世界選手権で自己最高得点をマークし、浅田真央選手に次ぐ4位入賞。来年のソチ五輪代表候補として注目を集めている彼女は、この春、高校を卒業し、大学生に。山田満知子コーチとの出会いから実に15年、二人三脚で歩んできた競技人生。今回、村上選手と山田コーチがスタジオに登場、2人だけの知られざる関係に迫った。

 

◆キライだったスケート

村上選手がスケートを始めたのは3歳、姉の影響でリンクに通い始めた。しかし、当時はスケートが嫌いで、リンクに行きたくなかったとのこと。それが、徐々にジャンプが跳べるようになり、コーチに褒めてもらえることが嬉しくて、スケートが好きになり始めたそうで、それが小学3年の頃。実は、山田コーチも村上選手の才能を見出したのもちょうどその頃。2人を引き合わせた運命的なものを感じる。

そんな2人、リンクの上では選手とコーチ、リンクを離れたら孫とお婆ちゃんのような関係。一緒に買い物に行ったり食事をしたり、小さい頃は一緒にお風呂に入ったり。もちろん、ケンカも。2人の関係は師弟の枠を超えた特別な関係。

 

◆選手の指導法

これまで、フィギュアスケート日本女子では初となる五輪銀メダルを獲得した伊藤みどりさん、天才少女と呼ばれた浅田真央選手など、数多くのトップスケーターを育てた、名コーチ・山田満知子。そんな山田コーチだが、決まった指導法はなく、選手の特徴や性格に合わせた指導を行っているという。例えば浅田選手は「勝ちたい」と戦う気持ちを内に込めるタイプ。そのため、その内に抱えたものを少しでも出してあげるようにする。一方、村上選手は「勝ちたい」と意識すると緊張してしまうタイプ。そのため、勝負ではなく自分のベストを出すことに集中させ、緊張を解きほぐしてあげる。山田コーチの「大丈夫」という一言が、村上選手にとってはすごく大きなチカラになっているという。

実は山田コーチ自身、選手時代はスケートが嫌いだったそうで、その経験から、子どもたちがリンクへ少しでも楽しみに来てくれるよう、リンクに来たくなるような環境作りを心がけているとのこと。

 

◆ソチ五輪への戦略

シニアデビューから3シーズン、村上選手はいろいろな表情を見せてくれた。

シニア1年目は、明るいポップな曲に、少女っぽさを押し出した、元気いっぱいキュートな演技。

続くシニア2年目は、キュートな佳菜子から一転、クラシックに挑戦し、大人っぽさを出した演技。

そして、シニア3年目、選んだ曲はタンゴ。表現力豊かに、情熱的で力強い女性を表現。

シーズンごとにガラリと違う村上佳菜子を演じてきた。実は、これはシニアデビューの時点から、4年後のソチ五輪を見据えた戦略だった。ジュニア上がり15歳の村上選手、いきなりシニアの選手たちに合わせ、背伸びした大人っぽい演技で勝負するのではなく、あえてジュニア上がりの初々しさ、可愛らしさを全面に出して勝負。そして2年目、3年目と年を重ねるに連れて、徐々に演技に大人っぽさを出していき、シニアのお姉さんたちと勝負。村上選手の成長と、その時その時の世界の潮流や流行りを意識した、4年に渡る戦略。

そして、シニア4年目の来シーズンは集大成となる大舞台ソチ五輪が控えている。果たして、どんな村上佳菜子を見えてくれるのか?

 

トップになればなるほど、多くの名コーチの下を渡り歩いていくフィギュアスケートの世界。

そのことに対して、村上選手が口にした一言、『他のコーチに変わる理由が見つからない』。

今回の対談で一番印象的だった言葉であり、2人の固い信頼関係を物語っていた。