放送内容

2013年01月26日(土)放送

中日ドラゴンズ 吉見一起 「エースの素顔」

カテゴリー:野球

中日ドラゴンズ吉見一起。
昨シーズン、5年連続2ケタ勝利を記録するなどチームを支える大黒柱として
なくてはならない存在となっている。
そんな頼りになるエースがスタジオに登場。意外な本音を語ってくれた。


◆エース
開幕戦や交流戦の初戦など、チームの大事な節目で登板するのがエースだという吉見投手。
しかしエースという言葉にはこだわりがないという。
例えば新聞の見出しなどで若い大野投手や伊藤準規投手が、もしエースと書かれていても
気にならないとか。なぜならそれは他人が決めることだから。
自分は「エースだとは思っていない」と言う吉見投手。
それでも開幕戦などには「今は登板しなければいけない立場だと思っている」と一言。
エースと呼ばれようが、呼ばれまいが関係ない。
自分のやることをしっかりやればいいという強い責任感を感じさせてくれた。


◆コントロール
吉見投手の最大の武器コントロール。
まるで精密機械のような制球力はどのようにして磨かれたのか。
意外なルーツが明らかになった。
小さい頃、団地に住んでいた吉見投手は1階の3段ほどの階段を狙って
的当てゲームのような遊びをしていたとか。
この遊びでは「負けたことがない」という吉見投手。
子供のころの遊びでボールを操る感覚が磨かれたという。
また今の調整の方法は、まず5メートルほどの短い距離からスタートし、
ストライクが投げられたら一歩一歩、徐々に距離を延ばし、
しっかりボールを操れているか確認しているとのこと。
吉見投手の持論で近い距離で狙った所に投げられなければ、
遠くなれば狙った所に行かないのは当たり前という考え方から。


◆負けない
プロ7年間の通算で70勝27敗という素晴らしい成績を残している吉見投手。
年間平均10勝という勝ち星もさることながら、
さらに凄いのはわずか27敗と負けないこと。
プロ通算での勝利はなんと7割2分2厘。
これはあのダルビッシュ投手をも上回る成績。
なぜこんなに負けないのか。
大きな要因として吉見投手本人が挙げたのが気持ちの問題。
まず一番は勝ちたいと思わないこと。
勝ちたいと思うあまり、入れ込みすぎて冷静な判断力を失い、打たれてしまう。
こんな失敗を繰り返し経験して掴んだ負けない極意。
試合中は勝ちたいと思うより、相手のピッチャーに負けをつけてやろうと考える。
特に相手のピッチャーがエース級などの良い投手の場合、モチベーションも上がり
良い結果につながることが多いという。
もう一つは何事もプラスにとらえる。
プロ2年目の2007年のオフに野球留学したドミニカで吉見投手は衝撃を受けたという。
コントロールが悪く、フォアボールを連発し降板させられた現地のピッチャーが
監督に大声で文句を言っていた。その理由を聞いてみると・・・
「審判がストライクを取らないのが悪い」と自分のコントロールの悪さを棚に上げ
他人のせいにしていたのだ。
もともとはどちらかというと考えすぎてしまうタイプだという吉見投手は
この考え方に驚き、自分に足りないものは「これだ」と感じたそうだ。
そこでいい意味でのプラス思考に考え方を変えたところ、
プロ2年間で1勝1敗だった成績が帰国した次のシーズンには初の2ケタ勝利を達成。
そこから5年連続の2ケタ勝利。
つまりドミニカに行かなければ今のエース吉見という存在は
誕生していなかったかもしれないのだ。

「ビールかけで音頭をとること」が今シーズンの目標だと話す吉見投手。
エースとして、選手会長として今シーズンもチームを引っ張ってくれそうです。