放送内容

2011年10月29日(土)放送

フィギュアスケート鈴木明子 「初心」と「挑戦」のシーズン

カテゴリー:野球

去年のバンクーバーオリンピック。躍動感あふれるステップ、圧倒的な表現力で、観客を魅了。最高の舞台で8位入賞、拍手と歓声が鳴り止まなかった。
彼女の持ち味は、見ている人を惹きつける 類まれな表現力。
数々の大舞台で、輝かしい実績を収めてきた。

しかし、昨シーズン、鈴木は思うような演技が出来ずに苦しんだ。
GPファイナル、全日本選手権と表彰台に登れず、世界選手権の切符も逃した。
楽しいはずのスケートが、辛くて苦しいものに変わっていた。

当時を振返り、鈴木は話す。
「ここまでスケートに対して「もう嫌だな」って思ってしまったのは初めてでした。
自分からスケートが好きじゃないと絶対うまくなれないと思うんですよ。
まずは「スケートが好き」っていう気持ちから取り戻すっていう、
それが私にとってイコール初心に戻ること」

スケートが大好きだった頃の自分を取り戻す。
「初心」に戻ることで、心に芽生えた「挑戦」という2文字。
今シーズン、彼女が取り組む新たな挑戦は・・
「3回転3回転を入れたプログラムができるようにしたい」

3回転3回転のコンビネーションジャンプ。
これまでプログラムに入れてこなかった大技に、あえて挑戦をすることを選んだ。
「どうせだったら跳んでやめたいなって。
選手である以上、あと1個3回転3回転というものが跳べて辞めたい。
今シーズンは挑戦のシーズンになるんじゃないかなって思っている」

トップスケーターが出場する世界選手権でみると、3回転3回転を跳ぶ選手の割合は年々増加し、2年前と比べると、およそ3倍。
高得点が狙えるだけに、近年の女子フィギュア界において、その重要度が増してきている。

再び世界に挑むシーズン。
長年、鈴木と二人三脚で歩んできた長久保 裕コーチも3回転3回転の必要性を感じている。
「やはり世界で一桁の順位になるためには、3回転3回転は必須になってくると思います。今シーズンは3回転3回転を入れなきゃいけないっていう気持ちを彼女も僕も持っています」


世界の第一線で戦い続けている鈴木。
ISU世界ランクトップ10の選手の平均年齢が21.6歳に対し、
世界ランク3位の彼女は 現在26歳。
トップ10の中で最年長、ベテランの域に達しても、その向上心は衰えを知らない。

「26歳で挑戦していることにすごく難しいなって思うんですけど、
逆にこの年齢になってからまた新しいものに挑戦してるって中々普段ないじゃないですか。
挑戦できるってすごく楽しいことだし、いいことだなって思う」

自分自身の限界を超える新たな挑戦。
再び輝きを取り戻す、鈴木の特別なシーズンが始まる。