放送内容

2011年10月01日(土)放送

U-22代表 永井謙佑 ~走力~

カテゴリー:野球

のほほんとした風貌で、普段はいたってマイペース。それが、永井謙佑。
ところが、ピッチではまるで別人。50メートル5秒8の次元の違うスピードに、敵も味方もただただ圧倒される。

「もう速さだけいったら、本当に異常」(名古屋グランパス・玉田圭司)
「あれはスピード違反にならんかな。はあ、大したもんだねあのスピードは」(横浜Fマリノス・木村和司監督)

そのスピードを活かし、永井はU-22代表で13試合9得点。絶対的エースとして、期待と注目を一身に引き受けてきた。しかし、9月21日ロンドン五輪アジア最終予選 対マレーシア戦。永井は、まさかのベンチスタートとなった。しかも、試合前日の公式会見には、監督直々の指名でキャプテンではなく永井が列席していたにも関わらず…、だ。

永井はしかし、自身がスタメンを外れたことを、冷静に受け止めていた。
「全然分かってました」「相手も1回やって分かっていたし、引いてくる相手で僕じゃあ多分やりづらかったからだと思います」

スタメンを外れた永井に代わり、この日注目を集めていたのが、清武弘嗣。清武が注目を集めるきっかけとなったのは、8月飛び級招集されたフル代表でのこと。8月10日の日韓戦、途中出場の清武は、抜擢に応える2アシスト。フル代表の初陣で“清武あり”を印象づけた。
そして、変わって五輪代表戦。清武は、前半10分の先制ゴールを演出する。しかし、その後日本はゲームを支配しながらも、追加点を挙げることが出来ない。ついに、切り札が切られる。永井投入。その永井の走りが、試合を動かす。後半21分、永井のサイドチェンジ。そこから中央、清武へ戻すとそこから再び永井、すかさず折り返して最後は山崎。清武と永井の強力タッグで、日本はホームで勝点3を手にした。

圧倒的な走力でエースの座を手にした永井だが、高校2年生まで至って凡人。
高校1年で6秒8(50メートル走)。高校2年で6秒1(50メートル走)。高校2年、3年で身長が伸びたことで、走力も伸びた。実は、中学3年生で卒業したとき、身長は156センチだった。

走る力を手にして、サッカー界でも頭角を現してきた永井だが、「トラップ得意じゃないし。あと、パスもそんなに得意じゃない」(得意なのは?)「走る」。テクニックではなく、走ることでゴールをこじ開けてきた。だからこそのゴールの美学。「入ればいいっす。入れば。どんなでも、1点は1点」。