2004年6月28日 25時18分放送
 
情熱の証 ~中京女子大レスリング部・栄和人の挑戦~
 
スタッフのつぶやき
 
宮本 洋志ディレクター

 今でこそ五輪代表選手を輩出し注目を集めるようになった中京女子大学レスリング 部だが、取材を始めると同時に、この超マイナースポーツの厳しい現実を目の当たり にした。
東京で試合がある時は、大学のある愛知県大府市から4台のバンに分乗し、5時間 かけて移動する。 高速代、ガソリン代、宿泊代は当然自腹。選手たちは練習があるため、バイトは禁止。
そうなると、遠征費用の多くを選手の親や関係者が負担することになる。
そして、極めつけは監督が購入した『4000万円の一戸建て』。 今や日本最強の女子レスリング部を作り上げた栄監督だが、同時に、選手たちの住ま いとなる『寮』を自ら購入するハメになったのである。

 今年4月13日に行われた五輪代表決定戦は、伊調千春と坂本真喜子という中京女 子大同士の同門対決となった。集まったメディアはおよそ50社200人。アマチュ アレスリング史上過去最高の盛り上がりを見せた。そして、アテネオリンピック金メ ダル最有力と言われる女子レスリングは今、異常なまでの注目を浴びている。
しかし、財政状況はというと…変わっていない。あいかわらずなのだ。それでも、選手たちはつらい練習に耐え、時には涙を流し、時には笑う。そこには、黙々とレス リングに打ち込んでいる選手たちと、そんな選手たちを叱咤激励する監督がいるだけ である。
ひたすら一生懸命。だから応援したくなった。
 
 
放送内容について