佐藤 裕二

PROFILE

ニュースの時間

角界、前を見よ!

詰めかけた報道陣

大相撲が好きです。
1歳7ヶ月の長男も好きです。
場所中は家族3人でテレビにかぶりつきます。
だからこそ・・・。

今日(12日)、時津風部屋の力士死亡事件で傷害致死罪に問われた
元親方・山本順一被告の初公判が名古屋地方裁判所で開かれました。
山本被告はビール瓶で斉藤俊さんを殴ったことは認めたものの
「弟子らに暴行の指示はしていない。ぶつかり稽古は通常の稽古で
制裁目的ではない」と起訴事実を否認しました。

傍聴券を求め約600人が列を作った

第2号法廷の傍聴席。
私の斜め前に座っていた、斉藤さんの父親・正人さんは
なんども法廷の天井を仰ぎ、「ふーっ」と大きく息を吐きました。
山本被告に対する感情を鎮め、また息子を角界に入門させた自分を
責めているようでした。

名古屋地方裁判所の前には多くの報道陣が詰めかけ
また81枚の傍聴券を求め600人近くの人が列を作りました。
「国技」大相撲。
その人気の低迷が言われますが、
なお国民的スポーツゆえの注目度の高さ。

名古屋地方裁判所前

角界は揺れ続けています。
大麻事件、八百長疑惑、綱の品格、協会の体質。
入門する新弟子の数は減る一方です。
稽古が厳しすぎる、豊かになった。
時代の変化が理由に挙げられがちですが、
角界も「変わらなきゃ」。
上下関係の厳しさで知られたある大学野球部の選手は
「いまは先輩後輩、チョー仲良いですよ。寮も楽しいです。」
プロ野球で日本一になったライオンズ・渡辺監督の著書のタイトルは
「寛容力 怒らないから選手は伸びる」。

公判で山本被告の弁護側は
「被告が現役の時は青竹や木刀で思い切り叩く『気合入れ』や、
1時間に及ぶぶつかり稽古もあった」と主張しました。
前を見なければ、前には進めません。