佐藤 裕二

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ニュースの時間

1年後には・・・

長久手立てこもり事件の現場
今は、建物は取り壊されています

ドラゴンズのマスコット「ドアラ」が人気です。
7月にはCDも出るそうです。
そんなドアラに負けず劣らずの個性的なコアラが出現。
その名は「鯱あ郎(こあろう)」。東山動物園のコアラが金シャチをかぶったという、
なんとも大胆なキャラクター。
しかも「こあろう」はお堅いイメージの名古屋地方検察庁のキャラクターだと言うから驚きです。
なぜ、こんなキャラが登場したのか。
そう、裁判員制度導入まであと1年だからです。
約1年後には、あなたが裁判員席に座っているかもしれません。
関係各所はPRに必死です。岐阜地検のキャラクターは長良川の鵜をモチーフにした「ウーピーとウージー」、津地検のキャラクターは伊賀の忍者をイメージした「みえるもん」。名駅前のナナちゃんも「裁判員制度」のタスキを掛けPRしました。
現場では、既に裁判員制度を意識した動きが始まっています。

先月開かれた、長久手立てこもり発砲事件の裁判。
傍聴席から向かって右側に弁護人、正面に裁判官と証言台、左側に検察官。
裁判官の席と検察の席の間に大きなスクリーンがありました。
検察側、弁護側双方がパワーポイントを使って事件の状況を説明するためのものです。
それぞれが工夫し、自らの主張を分かりやすく伝えようという姿勢が見えます。
検察側は、事件現場の見取り図を用意。
弁護側は被告の責任能力が限定されとする根拠を、3か条にして説明しました。
これも、我々市民が裁判に参加したときのことを想定し、より分かりやすく訴えかけようとしたものと感じました。

今も現場には花が

ここで気になる事が一つあります。説明が分かりやすいことと、
情に訴えることは別物だということです。
法廷に、被害者の遺影を持ち込む場合は布などで包まなければならないとされています。
それは、裁判が、情によって左右されてはならないからです。
あくまで客観的な証拠に基づいて判断されなければなりません。

最高裁が今月1日に発表した調査結果によれば、裁判員になった場合の不安として
「被告の運命が決まるため責任を重く感じる」と答えた人が75.5%にのぼりました。
裁判員制度スタートまであと1年、私達は果たして冷静な判断ができるのでしょうか。