スタッフの一言

日々スポーツ取材に励むメ~テレスポーツ部スタッフ。そんな彼らが取材先で感じたことをつづります。

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準備

2008/08/08

今回の担当者

一昨日、昨日と中日の愛媛遠征に同行取材してきました。クライマックスシリーズ進出ラインとなる3位の中日と4位ヤクルトとの直接対決は互いに譲らぬ接戦に。一戦目は延長12回でも決着つかず、2対2の引き分け。そして、きのうは1点を先制された中日が、6回に追いつき、7回にデラロサ選手の勝ち越しソロが飛び出し、2対1で勝利しました。
その昨日の試合で同点タイムリーを放ったのが、今シーズン初めて3番に起用された井上一樹選手でした。2打席凡退で迎えた第3打席、2アウトから2番の小池選手が2ベースヒットで出塁というチャンスの場面。
「ああいう場面だったからそりゃあ何とかしたかったよ」
井上選手は2ストライク0ボールと追い込まれた後の3球目をタイムリー2ベースにしました。実は、前の打席で内角のストレートを見逃し三振に倒れていた井上選手。
「だから、三球勝負もあるかなと。もちろん、それ(ストレート)だけじゃないけどね。」
と三球目の内角を意識していたと話しました。その結果、会心の当たりではなかったものの、打球はライトの頭上を越えました。予測し、結果に結びつける。「予測」はプロなら誰でもやっている事、でも、結果に結び付けるのは誰でも出来る訳ではありません。数々の失敗(=経験)を積んできた、ベテランならではの仕事だったと思います。

我々テレビマンの仕事も、8~9割が「準備」と言っても過言ではありません。放送はOAしたら、それで終わり。間違い、失敗があっても謝ることすらできません。放送までにどこまで準備ができるかが勝負です。後輩に常々こう諭し、自分にも言い聞かせてきたつもりですが、初めてとなる仕事では、分かっているはずの準備が間に合わなかったり、予測しえない事が起こったりするものです。ベテランになっても、失敗を0にする事はなかなかできないものです。

話はかわりますが、5日、この地方の先陣を切って高校野球の東愛知代表、大府高校が甲子園で戦い、惜敗しました。敗れた選手たちに監督が言った言葉が身にしみました。
「きょうはいつも言っている謙虚な野球ができていなかった。相手の打球がイレギュラーしてヒットになり、うちの打球は相手のファインプレーになる。これは神様が、うちが勝ってはいけないと言っているんだ。」
慣れは油断を生み、油断が失敗を生みます。初心を忘れず、「謙虚」な姿勢を保つ大切さを味わった5~8日の大阪~愛媛遠征でした。

ディレクター:N


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