研究コーナー

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「バンクーバー五輪 東海地区のアスリートたち」

2010/03/06放送

17日間の激闘に幕を下ろしたバンクーバーオリンピック。
日本勢は前回のトリノオリンピックの金メダル1個を大きく上回る、銀メダル3個、銅メダル2個の合計5個を獲得。
そんな中、活躍をみせた地元・東海地区のアスリートたち。
日本中が注目したフィギュアスケートでは愛知県から4名が出場。男子では小塚崇彦が8位入賞を果たした。
一方の女子は安藤美姫が5位、鈴木明子が8位。そしてライバル・キムヨナとのハイレベルの戦いを見せた浅田真央が銀メダルを獲得した。
愛知が輩出した4選手全員が入賞という快挙を成し遂げ、フィギュア王国・愛知の力を改めて見せつける結果となった。
中でも銀メダルを獲得した浅田真央は言う。「結果は(キムヨナに負けて)悔しい。でもその悔しさを忘れず、
ソチオリンピックに向け常に銀メダルを見せる位置に置いて頑張っていきたい」
浅田は帰国後、4年後のリベンジを誓った。
「次は金メダルしかない――――」

2大会連続のオリンピック出場となったモーグル女子の伊藤みき(中京大)は12位という結果だった。
天真爛漫な彼女はレース後、いつもと変わらない笑顔を見せていた。
オリンピックが終わり、故郷の滋賀県に戻った伊藤。しかしオリンピックの結果に気持ちを整理できない自分がいた。
「冷静に振り返るとやっぱり順位がとれたと思うし。もうちょっとケガとかなければ・・・ちょっと悔しいかなって思いました」
昨シーズンの世界選手権で銀メダルを手にしオリンピックでの期待が高まる伊藤だったが、
今シーズンはケガで思うような滑りが出来ず苦しんでいたという。
周囲の期待・・・決して万全とはいえない状態・・・
前回のオリンピックより遥に重いプレッシャーが伊藤にはのしかかっていた。
それでも決勝のレースは伊藤が持てる力を全て出した最高の滑りだった。
「このオリンピックが終わっても、終わりってことは(次への)始まりやから」
伊藤の次なる戦いは早くも始まっている。4年後のソチオリンピックへ全てを捧げる。

オリンピック初出場となったショートトラックの伊藤亜由子と高御堂雄三(ともにトヨタ自動車)。
去年のワールドカップで2位に入るなどメダルが最も期待された女子3000メートルリレー。
その予選の第一走者に伊藤亜由子は立った。しかし、日本でトップクラスのスピードを持つ伊藤が
まさかのスタート失敗。波に乗れなかった日本女子リレーチームは予選で敗退した。
「重要な第一走者を任されながら、スタートに失敗してチームに迷惑をかけた」
あの時、自分の気持ちに整理がつかない状態だったと話す伊藤。
持ち味の思い切ったスタートに気持ちの迷いが乗り移ったようなレースだった。
しかし個人種目の1000メートルでは伊藤の理想とする「先行逃げ切りスタイル」ができた。
結果的に予選で負けたが、新たな4年後の自分を想像できたという。
「メダルが欲しい。バンクーバーまでの4年とこの先の4年間は違う」
そしてもう一人が高御堂雄三。一宮市出身の22歳は去年12月の全日本選手権で初優勝し、オリンピックの座を掴んだ。
男子はショートトラックの第一人者である寺尾悟が現役を引退し、世代交代を歩み始めている。
そんな中で高御堂は1500メートルと1000メートルに出場。結果はどちらも予選で敗退。
「初めてのオリンピックに舞い上がった。いつもとは違う緊張感でリンクに上がった途端、我を忘れてしまった。
気持ちで負けて悔しい、何もできなかった。この経験は絶対に生かして勝ちたい」
世界との差を痛感した語る高御堂。22歳の若武者が4年後どんな成長を見せるのか、今後も目が離せない。


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