研究コーナー

スポーツにまつわる伝説や言い伝え、些細な疑問までを徹底検証します。

243

「中日vs巨人激闘の歴史 宿命のライバル対決」

2009/08/22放送

ペナントレースも残り30試合あまり。
今シーズンも激しい優勝争いをするドラゴンズとジャイアンツ。
この2チームは過去、幾多の名勝負を繰り広げてきた。
1987年8月9日。ルーキーの近藤がプロ初登板となったジャイアンツ戦でノーヒットノーラン達成。
1989年8月12日には9回ワンアウトまでジャイアンツ斉藤雅樹にノーヒットに抑えられながら代打・音のヒットをきっかけに落合が劇的なサヨナラスリーラン。
ナゴヤ球場最終戦、立浪の2000本安打、山本昌の200勝など全てジャイアンツ戦だった。
まさに激闘ばかり。その歴史を紐解いてみた。

1982年9月28日。
ジャイアンツの先発は前の年に20勝を挙げた昭和の怪物・江川。
試合は9回表を終わってジャイアンツが4点リード。
しかし9回裏、ドラマが待っていた。完投目前の江川に5本のヒットを浴びせ、一気に4点を奪い6対6の同点に追いつくと、10回裏、大島がサヨナラタイムリー。
怪物江川を土壇場で打ち崩した奇跡の勝利。
この逆転勝ちをきっかけに、ドラゴンズは8年ぶりの優勝を勝ち取った。
9回に江川からヒットを放った宇野さんにとっては、ジャイアンツ戦の中でこの試合が最も印象深いとか。
また怪物江川は、打てそうなんだけど打てない投手だったと当時を振り返ってくれた。
そしてドラゴンズ対ジャイアンツといえばあの伝説の試合。
1994年10月8日、いわゆる10.8。
両チームがまったくの同率で並び、シーズン最終戦で直接対決を迎えた。
この試合で先発を務めた今中が改めて当時を振り返った。
試合は2回表落合のホームランでジャイアンツが先制する。しかし今中にはまだ余裕があった。
「自分が思い切って投げて、狙ったところにいって打たれたなら多少は引きずるんだけど・・・。」
コントロールミスした甘い球を打たれたので気にならなかったという今中。
するとすぐに味方打線が2対2の同点に追いつき試合は振り出しに。
しかし3回表、今中は再びランナーを許す。ここでジャイアンツは3番松井が送りバント。
ところが・・・。「それを覚えていないんですよ。松井がバントしたこと自体が記憶がないんですよ。」
今中の記憶には松井のバントは残っていないのだ。
「眼中にないんですよ。打線の中でポイントは松井じゃなくて当然4番の落合さん。」
今中にとって試合の鍵を握るのは落合ただ一人。そして2度目の対決を迎える。
しかし・・・。結果は詰まった打球が一塁の後方にポトリと落ちるタイムリーヒット。勝ち越しを許した。
「渾身のボールを投げたつもりだったし、それがどんな当たりであれタイムリーという事が悔しかったんでしょうね、自分の中で・・・。そこからね3回の3点目を取られてから立浪さんが怪我をするところぐらいまで内容を全然覚えてないですね。」
今明かされる衝撃の事実。
狙い通りに投げ込んだボールを打たれ、今中は記憶が途切れるほどのショックを受けていたのだ。
そして試合は8回裏に立浪が一塁へ執念のヘッドスライディングを見せるも、ジャイアンツが6対3で勝ち、激闘の幕は閉じた。
過去、幾多の名勝負を繰り広げた宿命のライバル、ドラゴンズとジャイアンツ。
優勝へ向け正念場を迎えた今シーズンも両チームのこれからの戦いから目が離せない。


バックナンバー