研究コーナー

スポーツにまつわる伝説や言い伝え、些細な疑問までを徹底検証します。

200

「北京五輪 野球日本代表 荒木雅博」

2008/08/09放送

7月17日。100人を超える報道陣が待ち受ける中、北京五輪野球日本代表「星野ジャパン」のメンバーが発表された。
「現時点では日本の最強メンバーであると自負しています」と星野代表監督。
ドラゴンズからは、川上、岩瀬、森野、荒木の4人が選出された。
4人ともアジア最終予選を戦い抜いたメンバーでそれぞれがオリンピックに特別な想いを抱いているはず。
そんな中でもオリンピックに強い決意を持って挑もうとしているのが荒木雅博である。

「オリンピックでの野球が最後になるという中で、自分が選ばれたというのは感じる所があって。星野監督には色んな使い方をしてもらっていいです。どんな使われ方でも僕はそれに対応していきますから・・・」
荒木の今シーズンに密着した。

今年、プロ13年目を迎える荒木は並々ならぬ決意を持って練習に取り組んでいた。
「限界までやってそこで止めるのと、そこからもう少しだけ何かやるのでは
これが積み重なっていけば2年後、3年後変わってくるから・・・。」
限界からさらに挑戦することで自らのレベルアップへ繋げたい。
さらなる進化を目指す荒木。
しかし、ここまでは決して順調とはいえなかった。

6月21日に通算1000本安打というメモリアルヒットを記録するも怪我などの影響もあり前半終了時の打率は2割5分1厘。決意を持って望んだプロ13年目のシーズンは想像以上に厳しいものとなった。

しかし、そんな中荒木は日本代表に選ばれた。
これまでの人生で日本代表は無縁のもの。ジャパンの一員となって出場したオールスターでは3安打3打点の活躍でMVP。しかも、9回に守ったファーストでは外野手用のグローブを手にし、しっかりジャパンへの準備までして見せた。

そしてオリンピックへ向けて遂に星野ジャパンの合宿がスタート。ジャパンで荒木に求められるのは自慢の快足と安定した守備力。まさにスーパーサブ的な役割。特に守備では限られた戦力を最大限に生かすため、本職の内野ではなく外野での起用もある。

国際試合ならではの強烈なプレッシャーがかかる中で慣れないポジションをこなさなければいけない。
だが、荒木にひるんだところはない。
「怖いとか言って逃げてはいられない。できるようになるまで、どれだけでも練習するだけ」
限界を超えその先にある進化した自分を目指す荒木には、決して乗り越えられない壁ではない。
「やっぱり競っているところで出て行くことが多いでしょうから、胃薬はもっていきますよ(笑)」

オリンピックでの野球はこれが最後といわれる大会でこれまで無縁だった日本代表に選ばれた。
だからこそジャパンの一員として金メダルに貢献したい。
「とにかく必死にやらなければ・・・。星野監督には色んな使い方をしてもらっていいです。どんな使われ方でも、僕は対応していきますから。」

チームの力に成れればどんな役割でも関係ない。
覚悟を決めた荒木が金メダルを狙う星野ジャパンの大きな戦力となることは間違いない。


バックナンバー